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脱炭素社会へ、地域から変わる

脱炭素社会へ、地域から変わる HAKUBAはそのモデルケースになり得るか Shotaro Takada 「POWって白馬の団体でしょ?」 こんな風に思っている方も少なからずいるのではないでしょうか。実際にそういった反応も耳にしてきました。これはある意味間違っていないし、そう思われるのも当然と言えるくらいにHAKUBAエリア(大町、白馬、小谷)にフォーカスして活動してきました。でも、冒頭の問いかけにはこう答えたい。 「うーん、そうとも言えるけど、これからPOWの活動は全国のスノータウンにじわじわと広がっていくよ!」 夏と冬、全く異なる表情を見せる白馬の山々。冬の荘厳な出で立ちが滑り手たちを惹きつける。 多様な色彩を持つ春夏の白馬。 POW JAPANは気候変動という世界が直面している最も深刻な問題の一つに、滑り手のスタンスから取り組んでいます。その活動は二つに大きく分けられます。一つは全国のスキーヤーやスノーボーダー、自然愛好家たちに対して、問題解決に向けてアクションを起こそうと呼びかけること。もう一つは、国や自治体、企業など、社会の仕組みに対して大きな影響力をもつセクターに自分たち(滑り手)の声を反映させて、実際に変化を生み出していくこと。これまでにHAKUABAエリアに焦点を当てて活動してきたのは、後者の成功事例を作るためでもあります。 2019年春以降、POW JAPANのHAKUABAエリアでの活動は多岐に渡ります。シンポジウムや各種イベントの開催、応援署名収集や気候マーチの協力、各スキー場との意見交換や勉強会。こうした活動の積み重ねや、地域の多様な仲間たちとの連携によって、HAKUBAエリアのスキー場による環境の取り組みや、白馬村、小谷村の「気候非常事態宣言」など、地域の変化の兆しは至るところに見られています。 昨年6月に開催したシンポジウムの様子。 9月、白馬高校の高校生たちを中心に行われた気候マーチ。 HAKUBA内のいくつかのスキー場では再生可能エネルギーへの電力切り替えや、LED照明の導入、断熱設備の拡充によるエネルギーの脱炭素化や省エネへの推進が行われています。また、カープールパーキングの設置や、索道ユニフォームにPOWロゴを入れるなど、お客様への啓蒙に繋がる取り組みも見られます。従業員への気候変動講習を実施するなど、社内教育の機会も作られています。 この春には(たぶん日本のスキー場では初めて!)八方尾根スキー場にSDGsを専任する部署が設けられ、来たるウインターシーズンにはHAKUBAのスキー場における再エネへの切り替えの動きが昨年以上に広がっていきそうです。 白馬八方尾根スキー場のアルペンクワッドリフトでは、2020年2月より通年で「CO2フリーメニュー」を適用し、CO2ゼロで運行中。 エイブル白馬五竜で行われた従業員向け勉強会。 そして、2020年春。コロナ禍で大変な時期にも、さらなる変化に繋がりそうな二つの会議が現在進行中で開催されていて、光栄なことにPOWも委員の一員として参加させていただいています。 一つは、大町市、白馬村、小谷村の三市町村の観光に携わる地域連携DMOである『HAKUBA VALLEY TOURISM(HVT)内のSDGs委員会』。この委員会ではHAKUBA VALLEY内の行政やスキー場、宿や飲食店などがエコツーリズムの実践の場として、それぞれの業種でできるSDGsの取り組みを検討しています。POWは当初、スキー場の気候変動対策を後押しすることを一番の目的に参加していました。しかし、エリア全体が持続可能な自然環境、社会を目指す動きは、そこで暮らす人々が豊かさを感じ、魅力的な観光地としてあり続けるためにも求められるチャレンジです。そういった意味では、気候変動の問題だけにとらわれず(それにSDGsの17の目標の多くは、気候変動に関連する内容です!)、この取り組みの着実な成果を出すために貢献したいと考えています。 もう一つは、『白馬村再生可能エネルギーに関する基本方針等連絡協議会設立準備会』です。とっても長い名前なのですが、簡単に言うと、昨年末に白馬村が出した気候非常事態宣言をいかに具現化していくか、再生可能エネルギーをどう位置付けていくかを検討する委員会です。気候変動の主要因となっているCO2の排出を減らすために、再生可能エネルギーは欠かせないツールではありますが、「白馬村に適している(または、市民に受け入れられる)エネルギー源は何なのか」「豊かな自然環境と共存できるのか」「気候変動対策と同時に地域内の経済循環に繋がる仕組みは?」など、様々な切り口から村内の再生可能エネルギーのポテンシャルを他の委員のみなさまと検討していきます。 HAKUBAではこのように行政、企業、市民団体や学生が連携しながら、地域の脱炭素化を推し進めるプロセスがはじまっています。POWはこれらの動きに伴走しながら、ここで得た知識や経験を、他のスノーリゾートや自治体にも活かしていきたい、そんな風に考えています。 そして、徐々にではありますが、この取り組みの横展開に向けて、北海道や長野、新潟、群馬、岐阜などのスノータウンの方々とも意見交換や企画検討を進めています。 冬を守るために、行動を起こす。そして、さらには地域を変える。 そんな思いある全国の滑り手の活動をサポートができるように、まずは白馬からモデルケースを作っていきます。

ショップオーナーに聞く! 「 Loyle(新潟県・六日町)」

ショップオーナーに聞く! 「Hair Salon Loyle(新潟県・南魚沼)」 Kenji Kato Retail Programにご参加いただいている新潟県の美容室「Loyle」さんにお邪魔して、ショップオーナーの堀口さんにインタビューをさせてもらいました! まずはお店の紹介をお願いします。 南魚沼市の六日町にあります、美容室Loyleといいます。オープンして今年の6月の末で10年になりますね。元々1人で始めたお店で、今は3人でやってます。美容学校を卒業して、他の美容室で修行して、独立するタイミングでこの地元で開業しました。地元でお店を開きたかったのもあるのですが、何よりスノーボードが好きで、滑れる環境に身を置くためにも地元に戻ってきました。それが強いですね。 じゃあ昔からずっと地元で滑ってきたんですね? そうですね、中学生からずっとです。同級生にもプロスノーボーダーがいますね。石打や湯沢を滑っています。今はお店もあるんで、休みの日に滑りに行く感じですね。 POWを知ったきっかけは? それがですね、地元のショップだったのか、DIGGIN’ MAGAZINEだったのか、はっきりとは覚えていないのですが、ホームページに行き着きました。今年は特に雪が降らなくて、お店のお客さんともそんな会話が多かったですね。このままではヤバイだろう、そう思っていたらアンテナに引っかかりました。何かできることがあるだろうと思い、サポーターになりました。僕自身、力になれるなら賛同しようと、自然な流れで。 活動をご支援いただき、ありがとうございます。 たしかに、美容師さんはお客さんと話す時間も長いですもんね そうですね、「雪少ないよね」って、なんとなく暗いイメージで会話が終わってしまうのも、なんだかなぁ、と。だからPOWは話のネタというか、お客さんとの会話のテーマにもなれます。賛同してくれる方も多いですね。 お客さんも滑り手が多いですか? そうですね。スノーボーダーやスキーヤー、あとはスキー場関係者も多いです。除雪のお仕事をしている人もいますね。雪で生計を立てている人ばかりですよ。 店内の作業台にステッカーを貼ってくださっていました! POW Retail Programを知ったきっかけは? ホームページを見ていて、団体の活動内容を見ていたときに、このプログラムのことを知りました。 このプログラムに参加いただいてから、お客さんとの会話の中で何か変化はありましたか? 「そのステッカーなんですか?」と聞かれて、POWの話をしたり、雪不足の話題から「こんな団体ありますよ」なんて感じでご案内出来ていますね。いい話が出来ていて、自分の中でも動けているなと感じています。きっかけも掴みやすいし、伝えれているって思います。 環境の話って、話題にするのにちょっと勇気がいりますもんね。 話しやすくなりますね。確かに。 お客さんの反応はどうですか? POWの事を知ってるっていう人も結構いますね。意外な人が団体の事を知っていたり、少なからずともみんな興味があるんですね。 「意外な人が関心を持っていた」って、どんな方ですか? 僕よりもかなり年上の方で、スキー場のパトロールをしている方です。かなり前からPOWの事を知っていたらしくて、本人も何か協力したいと思っていたみたいです。その方だけでもステッカーを10枚ぐらい買ってくれました。仲間に配りたいって言ってました。あとはステッカーを見て知ってる人も多いですね。何かのブランドだと思っていたみたいです。 普段の生活で二酸化炭素を出さないなど、何か心掛けていることってありますか? それが実際出来ていないんですよ。美容室をやっている上で、どれぐらいの環境影響があるか調べてみたりしたんですけど、何かを省いたら営業が難しくなってしまうものばかりで。それもあって、自分で何か出来ないかなと思い、プログラムに参加したところもあります。 雪が少ないことで、地域にインパクトはありますか? やはりお客さんが少なくなりますね。美容室自体も、客足はゆっくりです。やはり経済そのものが回らなくなるんですね。雪の影響がデカいなと感じます。生かされていたんだと、今年は強く感じました。 今後お店から発信していきたいことはありますか? 雪が無くなっちゃうかもしれないと、他人事みたいな感覚がある中で、もっと皆さんに危機感を持ってもらいたいところはありますね。 今日はありがとうございました。今後もよろしくお願いします。 「ありがとうございました!」 オーナーの堀口さん、Loyleの皆さま、お忙しいなかお時間をいただきありがとうございました! 全国各地に仲間が増えていく、そのきっかけを作ってくださるのが、このRetail Programに参加しているショップのみなさま。 ご協力にいただき本当にありがとうございます。

電力をより身近な存在に

電力をより身近な存在に Riki Nakajima 今日のご飯は何にしよう。 家の近所の魚屋さん、豆腐屋さん。 店の大将や女将さんとのやりとり。 野菜の直売所で生産者さんから直接野菜を買う。 小さな町の商店で食材を選ぶ楽しみ。 そんな感覚で電気も選びたい。 我が家では、それぞれの電力生産者さんの顔を見て、電気を買うことができる“みんな電力”さんから電気を買っている。できるだけ地産地消を実践したいので、県内で耕作放棄地を活用し、ソーラーシェアリングをしながら日本の農業の危機的時状態を下支えにすることで地域振興を進めるという活動をされている発電所を応援している。 応援先の発電所を実際に見学。実際の農業や発電のお話も聞かせていただきました。 日本では農業だけで生計を成り立たせるのは非常に難しい状態に追い込まれ、廃業や転職を迫られる農家さん、耕作放棄地が増えている。そこで田畑の上を発電所としても有効活用し、利益を生み出す。農業と発電という2本の柱で運用することは理にかなっている。これを普及させることができれば売電で得られる利益を下支えに、日本の農業は衰退から一転させることができるはず。そんな信念を持って活動されている発電所。 応援先発電所の原点。ここからソーラーシェアリングの試みが始まりました。下では自然栽培で里芋が育てられています。 しかもこの発電所さんを応援することで半年に1度、そこで取れたみかんのジュースを送ってきてくれる。電気の生産者の顔が見えれば、電線から我が家に流れ込む無味な電力にも親近感が持てる。なんだかワクワクする。そして、(ほとんどの場合は)電気料金も安くなる。 多くの想いを持って立ち上げられた発電所が各地に存在する。そういった想いに電気料金という形で応援する意思を示す。その意思がさらなる再生可能エネルギーの拡充を推し進める。 自然栽培で育てたお米は地元の酒造に持ち込んでお酒にもするそうです。田んぼでのソーラーシェアリングはまだ多くありません。 先日実家に帰った時に、僕の実家の電力も再エネに移行してきた。全くパソコンの触れない母はスマートフォンの扱いも怪しくネット経由での契約変更は難しく、一から全てを説明し、一から手続きの処理をしてあげなければいけなかった。 高齢者が人口の半数以上となっている社会的な現状、そして多くの場合そういった方々が家庭や会社における意思決定権を多く持っている現状。「原発反対!」「これからは再生可能エネルギーだろ!」と思っている人が多いはずなのに、社会が一気に動いていかない理由がここにひとつあると感じた。 まだ変えていない友人や家族に直接、自分の言葉で伝えて、知ってもらう。そして、自分では変更が難しいという人がいたら、面倒でも移行の手助けをしてあげる。ぜひそこまで関わってあげてほしい。そうすることで社会が変わる。そう強く感じている。 Take Action♪ Change is POWer 選ぼう、自然のエネルギー 再エネ切り替えキャンペーン実施中(7/3~7/31)! 詳細はキャンペーンページをチェック。 キャンペーンページを見る

「買う」というストーリー

「買う」というストーリー Goro Komatsu 先日、POW Japan の事務局で使うコンピューターを購入しました。 会計用ということで、それほど高いスペックのものは必要ないのですが、個人所有のマシンを使用するのは適切ではないのと、POW Japan を手伝ってくれている会計事務所が推薦するソフトを使うには(経理担当者が所有する)Mac ではなく Windows マシンが必要だったのと、引き継ぎの時のことなども考え、専用のものを購入することになりました。 さて、いざ買うとなっても、自分もずっと Mac だったので、 Windows マシンのことはほとんどわかりません。ざっくり市場を覗いた後、思い出したのは、数週間前に SNS で見た、元 Patagonia 日本支社長の 辻井隆行さんの投稿。それは、企業が廃品にする電子機器などを買い取り、新品同様に整備して販売するピープルポートと言う会社のお話でした。紛争や迫害を理由に日本に逃れて来た難民の方々にトレーニングを提供し、彼(女)らの手で整備され、新たな命を吹き込まれた製品を販売する取り組みだそうです。 社会環境負荷が低くない「コンピューター」をリユーズするだけでも意味があるのに、それをもう一歩、いや、もう一歩以上進めるなんて。本当に素晴らしい取り組みです。と言うことで早速、辻井さんに連絡を取り、繋いでもらいました。新型コロナウイルスでいつも以上に忙しい状況の中、代表の青山さん自ら対応してくださり、こちらの条件を細かいところまでお話して、ちょうどいいものを選んでもらいました。クリーンされたのち、新品のバッテリーが入れられたマシンは、必要なソフトウェアがインストールされ、POW Japan 事務局に届きました。箱を開けると、心機一転間違いなく、 POW Japan のために活躍してくれるであろうコンピューターと納品書、そして、なんと代表青山さん直筆の手紙が入っていました。手紙には、直してくれた(難民の)方の写真、そして「こう言う団体で使われるんだよ」と伝えてくれたエピソード、彼らもそれを喜んでいる、と言うメッセージが書かれていました。 Photo: POW事務局に届いたPC。これからどうぞよろしくね! 正直、コンピューターを買うのは何回目かわかりませんが、こんな感動は初めてでした。それは、すごいマシンを得て感動しているのとは、また別の次元の、心に残る、暖かい、感動でした。普段から「買い物は買い方、買う場所を選ぶと全然ストーリーが変わるんだよ。」と伝えていた中3の長女にこの話を紹介すると、彼女も感動していました。 青山さん、本当にありがとうございます。繋いでくれた 辻井さんにも感謝です。 もう、次買う機会があったら(しばらくないけど)絶対ここでお願いしよう、と思っています。 長文読んでいただきありがとうございます。 気持ちいい。 ピープルポート https://peopleport.jp/

気候ネットワーク

気候ネットワーク Goro Komatsu 「気候ネットワーク」と言う団体をご存知でしょうか? 気候変動問題に関心を持っている方なら、どこかで聞いたこと、見たことがあるかも知れません。「気候ネットワーク」は1997年に京都で開催されたCOP3(気候変動枠組条約第3回締約国会議)で京都議定書が採択されたことをきっかけに、1998年に(当時はその前身である「気候フォーラム」という名前で)発足しました。当時は今と比べ、気候変動問題は、国連や政府が取り組むような「大きな問題」「遠い問題」と捉えられていた時代でしたが、大きな問題を解決するには私たち一人一人がその現実を理解し、行動を変化させる必要がある。ということを、より広く社会に伝える役割をいち早く担ってきた、いわば「市民目線」で気候変動問題解決に取り組む日本を代表する団体です。 実は私たち POW Japan も、立ち上げ時点から「気候ネットワーク」さんとのご縁をいただき、様々なことを学ばせていただいています。活動の範囲も、団体としての規模や経歴も、比べ物にならない、大先輩といえるこの団体が発信している様々な情報は(ちょっとレベルは高目ですが)、気候変動問題に対する日本や世界の取り組みを知る上でとても参考になります。もう一歩先の情報を得たい、より深く知りたいという人は、ぜひ「気候ネットワーク」の活動をフォローすることをお勧めいたします。 さて、このタイミングで「気候ネットワーク」を紹介した理由なんですが、実は私(POW Japan 代表小松吾郎)、この「気候ネットワーク」のニュースレター「気候ネットワーク通信」の最新号(2020年5月号)に、特別寄稿として1ページを頂き、スノーコミュニティー(雪文化圏)が感じている気候変動の今を「いま、雪の未来のために」と題して書かせていただいた、のです。活動の先駆者の方々やそのフォロワーの方々が読まれているであろうこの通信への寄稿は、正直、断りたいくらいのプレッシャーを(勝手に)感じていたのですが、そういった場に自分たちの存在を知ってもらういい機会ですし、背伸びしても背は伸びない。ということでお受けさせていただくことにしました。 今年は記録的な少雪シーズンだったということもあり、多くの方が感じたであろう冬の異変と、その事実がスノーコミュニティーにもたらしている影響について、ちょっとだけマニアックな雪山の話を書かせていただききました。反対に、POW のムーブメントをご存知のみなさんには、それほど特別な情報ではないかも知れませんが、よろしかったら読んでみてください。 そしてぜひ、この機会に「気候ネットワーク」のフォロー&サポートを重ねてお願いします。 ありがとうございます。