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アーカイブ2019-02-12T09:28:05+09:00

POW EARTH WEEKを振り返る

POW EARTH WEEKを振り返る Shotaro Takada POW EARTH WEEKに参加してくださった皆さま、ありがとうございます。 多くの方に関心を持っていただき、参加いただけたことを、とても心強く、そして頼もしく思っています。 POW JAPANでは4月22日のアースデイに合わせて、気候危機を訴える若者のアクションを応援、全国の市民・環境団体との署名提出や街頭スタンディング、NIKEやMAMMUTといったウインタースポーツの枠を越える企業との連携など、様々なイベントを企画しました。 これらの企画をきっかけに、皆さんと一緒に考え行動を起こすことで、地球への感謝と、「この素晴らしい環境を未来につなぐ意思」を表すことがPOW EARTH WEEKの狙いでした。 また、この期間には気候変動対策のカギを握る政治的な動きも予定されていたので、ここへの関心を高めることも企画の背景にありました。 4月22、23日にバイデン米大統領が主催したオンラインの気候変動サミットでは、主要な排出国が相次いで新たな温室効果ガス削減目標(NDC)を表明し、日本の菅首相も2030年度に「2013年度比46%削減」、という目標を掲げました。 従来の「2013年度比26%削減」からの引き上げによって前に進んだ感はあるものの、他の先進主要排出国と比べても野心的な数字とは言えない状況です*1。また、気候変動による様々な被害を抑えるための「世界平均気温上昇を1.5℃未満に抑える」という、国際的な合意を達成するためには、更なる上積みが求められています*2。 1.5℃と言われてもイメージしづらいかもしれませんが、世界の平均気温は産業革命前(1850~1900年)から1.2℃上昇したと言われています。さらに、昨年の世界平均気温は基準値(1980~2010の30年間の平均値)より、0.45℃高くなっています。わたしたちがスキーやスノボードを始めた頃と比べ、たった0.45℃気温が高くなっただけで、厳冬期に降る雨、短くなっていく冬、凍らなくなった湖など、明らかな気候と環境の変化を目の当たりにしているわけです。 温暖化の影響を最小限に抑えるために、日本はより高い目標設定と実践が求められているのです。とはいえ、昨年10月の「2050年カーボンニュートラル」、今回の「温室効果ガス2013年度比46%削減」が宣言されたことで、今後は企業や自治体の目標や計画が、これらの宣言に引っ張れる形で発表されていくことになるでしょう。これは気候問題解決の大きな推進力になります。 では、わたしたち一人一人には何ができるでしょうか? 国の数値目標は掲げられましたが、それはある意味、目指すゴールが示されただけで、その道筋が描かれたわけではありません。これからの「選択と行動」の積み重ねによって、目的地へのルートは徐々に明らかになっていきます。日々の消費行動を意識し、選挙や署名活動などを通して声を届けてみる。モノや資源を大事に使い、時には新しい技術にチャレンジしてみる。今までの考えや行動を変えてくための一歩を踏み出す勇気が問われています。 脱炭素社会の実現は、エネルギーや食や農業、住宅や交通からまちづくりまで、いま、社会が抱えている様々な課題を同時に解決する可能性を秘めています。その多くは、自分たちの生活、暮らす「まち」から始まるものです。世界や日本が掲げる目標に向かって、個人や、地域による取り組みを積み重ねていく。そんな挑戦はきっとワクワクするものに違いない、そう思っています。 わたしたちは日々の暮らしや、雪山や川、海といったフィールドでの遊びの中で、この地球で生きる喜び、感謝、敬意といった感情を育み、自然のルールを学んでいます。一方で、自然の許容を超える形で資源を使い続けてきたことによって、生態系の破壊や気候変動など、取り返しのつかない事態も目前に迫ってきています。 当たり前だけれど、つい見えなくなってしまうこと、私たちは “地球の上に生きている” ことに気付かせてくれる、そんな効果がアースデイにはあるように思います。POW EARTH WEEK では、自然を愛する多くの仲間の存在を再確認することができました。 「毎日がアースデイ」を実践し、いま地球が抱える問題を解決していくための力となれるよう、POW

一歩踏み出してみて

一歩踏み出してみて Nanami Takei 初めまして、POW JAPANでインターンをしていた武井です。 「気候変動に対して何かしたい!でも、何をしたら良いんだろう・・・」と悩んでいたときPOWとの出会いがあり、2020年10月から約5ヶ月、インターンシップとして活動してきました。 インターンの最後にこの場をお借りして、気候変動という途方も無いほど大きな問題に対しても、一歩踏み出せば、出来ることは沢山あるし、その行動を応援、手助けしてくれる人が沢山いるということを伝えたいです。 まず、私の自己紹介を簡単にさせてください。 大学を卒業後、青年海外協力隊員として西アフリカのベナン共和国で1年ほどボランティア活動をしていました。その時、干魃で作物が採れないのを目の当たりにし、豪雨で自分の家に住めなくなった人々に出会ったことがきっかけに、気候変動は人の命に関わる問題であると痛感しました。帰国後、京都大学大学院の修士課程で勉強しながら、気候変動に対して何かしたいと思っていた時に、ご縁があってPOWと出会いました。その後事務局長とオンラインで面談し、初代インターンとしての活動が決まりました。(詳しいプロフィールはこちらからご覧ください) はじめてPOW事務局メンバーと会った翌日に訪れた「気候変動を知るin野沢温泉」(著者は左から二番目)。ここで出会ったアンバサダーの河野健児さんからヒントをもらった。 インターンがはじまってすぐ、白馬を訪れ全員が集まるミーティングに参加しました。その時の感想は、スピード感が早い、対スキー場や対地方自治体など企画のスケールが思っていたより大きい。「こんな団体で私が貢献できることはあるのか?!」と最初から自信をなくしました(笑)。 翌日、「気候変動を知るin野沢温泉」に同行し、気候変動講習を見たり、受付を手伝ったりしました。イベント終了後にはPOWアンバサダーの河野健児さんを交えて、POWのこれからの活動について会話していた際に、河野さんから「バックカントリーやフリーライドだけでなく、競技スキーなどの様々なジャンルの滑り手も巻き込んでみては?学生に対してアプローチするのも良いのでは?」と貴重な意見をいただきました。 私は学部生時代にアルペンスキーをやっていたし、学生という立場でもある!これを生かして、今までの私のようにPOWを知らなかった人達に対してPOWを広める活動をしようと思いました。 方向性が決まれば、その後は早く、数回のミーティング(私は京都からオンライン参加)で、POWのパートナーでもある白馬岩岳スノーフィールドで開催される「岩岳学生スキー大会」にブースを出展するという具体的なアクションが決まりました。 人生で初めて企画書を作り、提案をするために再び白馬へ。ローカルのプロスノーボーダーでもある福島 格さんのご協力もあり、大会事務局の方にも快諾して頂けました。 (上)2月に行われた岩岳学生大会 基礎の部。(下)ブースに立つ武井。 大会当日。まずは2月下旬に行われた岩岳学生スキー大会の基礎の部にお邪魔しました。ブース出展初日にブースに来てくれた方はわずか3人。せっかく、ここまで色んな人に協力してもらったのにどうしよう、と不安になりました。たしかに、選手だったら大会に集中したいし、私も現役の時は、競技で結果を出すことだけに集中していて、気候変動の「き」の字も浮かばなかったし、興味もなかった。でも、そんな自分だからこそ、同じように競技に集中する人達に対してのアプローチも思いつくのでは?と考え、他のメンバーにも相談しました。 そこで、大会が終わった選手が訪問しやすいように、室内にブースの位置を変更しました。しかしそれでも、誰も来ない・・・。 その時、POW事務局方々が、自分から学生に声をかけはじめていました。私も学生に声をかけたいと思うけど、なかなか勇気がでずブースで一人モジモジしていました(笑)。 数分後いざ、勇気を出して話しかけると、POWの活動について好意的な反応をしてくれたり、「活動、頑張ってください」と応援してもらえたり、たまに無反応の人もいたりと色んな反応が返ってきました。「POWの活動はとても重要なんだ」と認識する一方、まだまだ知名度も低いし、スノーコミュニティーの中でも伸びしろが沢山あるなと感じました。 3月に開催されたアルペンの部。雪はかなり厳しい状況。

ショップオーナーに聞く! 「中島屋旅館(長野県・野沢温泉村)」

ショップオーナーに聞く! 「中島屋旅館(長野県・野沢温泉村)」 Hitomi Suzuki 「ショップからはじめよう!」Retail Programに参加してくださっている「中島屋旅館」さん(長野県/野沢温泉村)にお邪魔して、若旦那の河野亮介さんと若女将の河野由貴子さんにお話を伺いました。 若旦那の河野亮介さんと若女将の河野由貴子さん まずは中島屋旅館について教えてください 野沢温泉村の温泉街にある源泉掛け流しの宿です。1913年創業、今年で108年目を迎えます。小さくて素朴な宿だからこそできるおもてなしや、お客様とのコミュニケーションを大事にしたいと思っています。また、良質な源泉かけ流しの温泉と共に、「野沢温泉ならでは」を楽しんでもらうために地元で採れた食材や、地元にちなんだものを使ったお料理をお出しするなど、「その土地を味わう」という旅の醍醐味や本質を感じていただける宿を目指しています。 若旦那は野沢温泉が地元なんですね? はい、小さなころから自然の中で遊ぶのが大好きで、冬はクロスカントリースキー競技に打ち込んでいました。大学進学を機に野沢温泉を離れ、長野で就職した後、国内のいくつかの温泉地の旅館や宿で修行を積んで、2009年に野沢温泉へ戻り、両親と若女将と一緒に中島屋旅館でお客様をお迎えしています。 POWの存在は知っていましたか? スノーボード雑誌やメディアを通してジェレミー・ジョーンズを知り、彼が米国で立ち上げたPOWに興味を持っていたので以前から知っていました。POW JAPAN立ち上げの際に、若女将(由貴子さん)にアンバサダーにならないか、と声がかかったこともあり、POW JAPANの存在も気になっていました。 Retail Programへ参加しようと思ったきっかけは? 僕自身もスノーボードが好きで、雪山が好きです。だから冬を守るために何かアクションを起こしたいと思っていました。一方で、旅館業はどうしても余剰食材の廃棄もあるし、電気ももちろん使用する。環境に負荷をかけながらも、気候変動問題に対してアクションを起こすという矛盾を感じていたこともあり、一歩踏み出せずにいました。しかし、若女将がPOW JAPANのアンバサダーとなり、POWのメンバーとも会話がはじまったことを通して、少しでも協力できればと思いはじめました。旅館としてお客様へのおもてなしは変えずに、できることをやろうと考えたときに、このRetail Programに参加しようと決めました。 このプログラムに参加してから、お客様との会話の中で何か変化はありましたか? POWの話をするきっかけにもなりますし、気候変動問題に興味も持たれているお客さまと話す機会が増えました。短い時間の会話で、深い話ができなかったとしても、その会話が「きっかけ」を与えられていると思います。 冬や滑るのが好きという人はもちろん、グリーンシーズンのお客様や年配の方も目をとめてくださり、「こういうの大事だよね」とステッカーを手にとってくださる方もいらっしゃいます。 それから、ブローシャーとステッカーを置いているだけでは伝わらないかなと思い、オリジナルのパネルを作って展示しています。この旅館でPOWのロゴが目に入ったことで、次にどこかでPOWのロゴを見たときに、『あ、中島屋旅館でも見たな』というきっかけになればと思っています。 オリジナルのパネルを作成し展示してくださっていました。 宿でのアクションについてもわかりやすく紹介されています!

私たちにも、できること

私たちにも、できること Yukiko Komatsu 「雪が降ったら、絶対に一緒に滑ろう!」 それは河野由貴子と橋本通代がPOW JAPANのアンバサダーに加わってすぐに決めた私の小さな目標、ミッションでした。 リフトに乗れば、あの頃の話で盛り上がる私たち。 2人とはカナダのウィスラーで出会いました。独身時代は3人とも日本と海外を飛び回りそれぞれの活動をしている中でも、滑る時間やそれ以外の時間を共有し、毎回会えた時に聞く近況報告がとても楽しみでした。迷ったとき、行き詰まったときは彼女たちに常に支えてもらっていたし、2人を近くに感じることだけでもたくさんの刺激と学びをもらってきました。 「森の中は雪が良さそうじゃない?」みっちゃんの到着まで雪の状態をチェックする。 それにしても、最高の天気に恵まれた。 ふっと訪れた16年ぶりの再会、そして雪上でのセッションが決まったこの日。 「いってらっしゃい」と送り出してくれた家族にも、最高に恵まれた天気にも、心から感謝しながらゴンドラに乗り込み、カリカリのアイスバーンでさえも「やっばい!最高ーーーっっ!!」と叫びながら滑る私たち。数本、ゲレンデライドを楽しんだ後にアバランチセットを持って再スタート、いざふわふわの世界へ。 野沢温泉のローカル、河野由貴子が今日のガイド。 野沢温泉スキー場のこと、森のこと、いろんなことを彼女から聞きながら、雪上を歩く。 以前、2人からもらった刺激や学びは今も変わらず、久しぶりに会えたからこそお互いの強くて逞しい部分を再確認し元気をもらえたし、自分に足りないものに新しく楽しい目標ができたりもして、時間が経った今でも、やっぱり2人には最高のリスペクトを感じました。

脱炭素社会へ、地域から変わる

脱炭素社会へ、地域から変わる HAKUBAはそのモデルケースになり得るか Shotaro Takada 「POWって白馬の団体でしょ?」 こんな風に思っている方も少なからずいるのではないでしょうか。実際にそういった反応も耳にしてきました。これはある意味間違っていないし、そう思われるのも当然と言えるくらいにHAKUBAエリア(大町、白馬、小谷)にフォーカスして活動してきました。でも、冒頭の問いかけにはこう答えたい。 「うーん、そうとも言えるけど、これからPOWの活動は全国のスノータウンにじわじわと広がっていくよ!」 夏と冬、全く異なる表情を見せる白馬の山々。冬の荘厳な出で立ちが滑り手たちを惹きつける。 多様な色彩を持つ春夏の白馬。 POW JAPANは気候変動という世界が直面している最も深刻な問題の一つに、滑り手のスタンスから取り組んでいます。その活動は二つに大きく分けられます。一つは全国のスキーヤーやスノーボーダー、自然愛好家たちに対して、問題解決に向けてアクションを起こそうと呼びかけること。もう一つは、国や自治体、企業など、社会の仕組みに対して大きな影響力をもつセクターに自分たち(滑り手)の声を反映させて、実際に変化を生み出していくこと。これまでにHAKUABAエリアに焦点を当てて活動してきたのは、後者の成功事例を作るためでもあります。 2019年春以降、POW JAPANのHAKUABAエリアでの活動は多岐に渡ります。シンポジウムや各種イベントの開催、応援署名収集や気候マーチの協力、各スキー場との意見交換や勉強会。こうした活動の積み重ねや、地域の多様な仲間たちとの連携によって、HAKUBAエリアのスキー場による環境の取り組みや、白馬村、小谷村の「気候非常事態宣言」など、地域の変化の兆しは至るところに見られています。 昨年6月に開催したシンポジウムの様子。 9月、白馬高校の高校生たちを中心に行われた気候マーチ。 HAKUBA内のいくつかのスキー場では再生可能エネルギーへの電力切り替えや、LED照明の導入、断熱設備の拡充によるエネルギーの脱炭素化や省エネへの推進が行われています。また、カープールパーキングの設置や、索道ユニフォームにPOWロゴを入れるなど、お客様への啓蒙に繋がる取り組みも見られます。従業員への気候変動講習を実施するなど、社内教育の機会も作られています。 この春には(たぶん日本のスキー場では初めて!)八方尾根スキー場にSDGsを専任する部署が設けられ、来たるウインターシーズンにはHAKUBAのスキー場における再エネへの切り替えの動きが昨年以上に広がっていきそうです。

ショップオーナーに聞く! 「 Loyle(新潟県・六日町)」

ショップオーナーに聞く! 「Hair Salon Loyle(新潟県・南魚沼)」 Kenji Kato Retail Programにご参加いただいている新潟県の美容室「Loyle」さんにお邪魔して、ショップオーナーの堀口さんにインタビューをさせてもらいました! まずはお店の紹介をお願いします。 南魚沼市の六日町にあります、美容室Loyleといいます。オープンして今年の6月の末で10年になりますね。元々1人で始めたお店で、今は3人でやってます。美容学校を卒業して、他の美容室で修行して、独立するタイミングでこの地元で開業しました。地元でお店を開きたかったのもあるのですが、何よりスノーボードが好きで、滑れる環境に身を置くためにも地元に戻ってきました。それが強いですね。 じゃあ昔からずっと地元で滑ってきたんですね? そうですね、中学生からずっとです。同級生にもプロスノーボーダーがいますね。石打や湯沢を滑っています。今はお店もあるんで、休みの日に滑りに行く感じですね。 POWを知ったきっかけは? それがですね、地元のショップだったのか、DIGGIN’ MAGAZINEだったのか、はっきりとは覚えていないのですが、ホームページに行き着きました。今年は特に雪が降らなくて、お店のお客さんともそんな会話が多かったですね。このままではヤバイだろう、そう思っていたらアンテナに引っかかりました。何かできることがあるだろうと思い、サポーターになりました。僕自身、力になれるなら賛同しようと、自然な流れで。 活動をご支援いただき、ありがとうございます。 たしかに、美容師さんはお客さんと話す時間も長いですもんね そうですね、「雪少ないよね」って、なんとなく暗いイメージで会話が終わってしまうのも、なんだかなぁ、と。だからPOWは話のネタというか、お客さんとの会話のテーマにもなれます。賛同してくれる方も多いですね。 お客さんも滑り手が多いですか? そうですね。スノーボーダーやスキーヤー、あとはスキー場関係者も多いです。除雪のお仕事をしている人もいますね。雪で生計を立てている人ばかりですよ。 店内の作業台にステッカーを貼ってくださっていました! POW Retail Programを知ったきっかけは? ホームページを見ていて、団体の活動内容を見ていたときに、このプログラムのことを知りました。 このプログラムに参加いただいてから、お客さんとの会話の中で何か変化はありましたか? 「そのステッカーなんですか?」と聞かれて、POWの話をしたり、雪不足の話題から「こんな団体ありますよ」なんて感じでご案内出来ていますね。いい話が出来ていて、自分の中でも動けているなと感じています。きっかけも掴みやすいし、伝えれているって思います。

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As long as poverty, injustice & inequality persist, none of us can truly rest. It doesn’t take much to change a life, Get in touch today and start making the difference.

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