月間活動報告 | 2023年3月

「雪不足のため予定よりも早く営業を終了します」各地のスキー場から営業終了の知らせが届いた3月。気温の高さや日差しの強さ、春の訪れの早さを誰もが感じていたでしょう。

4月15日・16日は北海道・札幌にて先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合が開催されます。議長国である日本の動向に国内外のメディアから注目が高まっています。

今回のG7、数あるポイントの中でもPOWが注目しているのは以下の二つ。
一つは<石炭火力の廃止時期>。昨年開催されたG7では議長国ドイツが「国内の石炭火力を30年までに全廃する」と声明に盛り込むと各国に打診したものの、日本が反発し見送りに。今回のG7の声明原案では廃止時期は明記されていませんが、イギリスとフランスは明示を求め、さらに「全ての化石燃料を将来的に全廃する」といった文言の追加を要求しています。

もう一つは、<アンモニア混焼>。日本は、“燃やしても温室効果ガス“の出ないアンモニアを石炭火力発電所で混焼する取り組みに力をいれており、原案でもアンモニア活用に触れていますが、「アンモニアの活用は石炭火力の温存につながる」として、欧米の数カ国は声明からの削除を要請しています。水素・アンモニア混焼は、“燃焼時“にはCO2は排出されないものの、製造時にはCO2を排出し、さらにコストが高い。技術としてもまだ確率しておらず、CO2削減効果はわずかなのに高コスト、結局は石炭火力を延命させることにつながり、エネルギーの海外依存も変えられません。
*アンモニア混焼の課題についてはJAPAN BEYOND COALの解説動画でわかりやすくまとめられています。

議長国の日本が脱炭素で主導的な役割を果たすように求める声が、産業界からも上がっています。武田薬品工業や三井不動産など国内の230社超が集まる日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は、2035年までの電力部門脱炭素化やパリ協定に整合しない石炭火力の早期のフェーズアウト、アンモニア混焼の取り組みの排出削減効果やコストを精査して見直すことなどを含め、要望書を3月28日に公表しています。

欧米各国やNGOだけでなく国内の企業からも、電力部門における“真剣な“脱炭素化を求められている日本。札幌で開催されるG7の様子や声明内容についても引き続きウォッチし続けましょう。4/15には札幌にて“札幌G7気候アクション“が開催予定、滑り手の仲間たちも参加する予定です!詳細はこちらをチェック:https://fb.me/e/TkxYqgzG 

月間活動報告 | 2023年3月

「雪不足のため予定よりも早く営業を終了します」各地のスキー場から営業終了の知らせが届いた3月。気温の高さや日差しの強さ、春の訪れの早さを誰もが感じていたでしょう。
4月15日・16日は北海道・札幌にて先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合が開催されます。議長国である日本の動向に国内外のメディアから注目が高まっています。
今回のG7、数あるポイントの中でもPOWが注目しているのは以下の二つ。
一つは<石炭火力の廃止時期>。昨年開催されたG7では議長国ドイツが「国内の石炭火力を30年までに全廃する」と声明に盛り込むと各国に打診したものの、日本が反発し見送りに。今回のG7の声明原案では廃止時期は明記されていませんが、イギリスとフランスは明示を求め、さらに「全ての化石燃料を将来的に全廃する」といった文言の追加を要求しています。
もう一つは、<アンモニア混焼>。日本は、“燃やしても温室効果ガス“の出ないアンモニアを石炭火力発電所で混焼する取り組みに力をいれており、原案でもアンモニア活用に触れていますが、「アンモニアの活用は石炭火力の温存につながる」として、欧米の数カ国は声明からの削除を要請しています。水素・アンモニア混焼は、“燃焼時“にはCO2は排出されないものの、製造時にはCO2を排出し、さらにコストが高い。技術としてもまだ確率しておらず、CO2削減効果はわずかなのに高コスト、結局は石炭火力を延命させることにつながり、エネルギーの海外依存も変えられません。
*アンモニア混焼の課題についてはJAPAN BEYOND COALの解説動画でわかりやすくまとめられています。
議長国の日本が脱炭素で主導的な役割を果たすように求める声が、産業界からも上がっています。武田薬品工業や三井不動産など国内の230社超が集まる日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は、2035年までの電力部門脱炭素化やパリ協定に整合しない石炭火力の早期のフェーズアウト、アンモニア混焼の取り組みの排出削減効果やコストを精査して見直すことなどを含め、要望書を3月28日に公表しています。
欧米各国やNGOだけでなく国内の企業からも、電力部門における“真剣な“脱炭素化を求められている日本。札幌で開催されるG7の様子や声明内容についても引き続きウォッチし続けましょう。4/15には札幌にて“札幌G7気候アクション“が開催予定、滑り手の仲間たちも参加する予定です!詳細はこちらをチェック:https://fb.me/e/TkxYqgzG 

POW ドネーションイベント
「山岳アウトドア観光のサステナブル・トランジション」
(2023年3月3日)

山岳ツーリズムの持続可能なモデルへのトランジションをテーマに研究を続ける吉沢直さんと写真家の栗田萌瑛さん(二人とも白馬村生まれの同級生!)が主催したこの企画。気候変動に直面するスノーリゾートとして、白馬村でも避けては通れない課題です。観光には移動がつきものですが、その移動に伴うCO2排出は温暖化の大きな要因の一つ。そういった矛盾を抱えながらも、変化を求める小さなアクションやイノベーションは、トランジション(変革)が起こるときの必要不可欠な要素だと、心強いメッセージをもらいました。当イベントの参加費はドネーション制でしたが、その全額をPOW JAPANに寄付いただいています。この場を借りてあらためて感謝をお伝えします。ありがとうございました!(Shotaro)

Photo: Moe Kurita

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天神バンクドスラローム

(2023年3月4日)

天神平バンクドスラロームの初日(予選の日)の夜に行われた Partyで、(かなりスノーボード寄りの)気候変動の話をさせていただきました。あの場だから会える各地のベテランライダーたちはもちろんですが、思った以上に中高生スノーボーダーたちも「話を聞きたくて来ました!」と言って集まってくれて、とてもいい機会になりました。Party の一部にも関わらず、話はじめると全員静まりかえり、かなり真剣に聞き入ってくれる体制だったので、ここぞとばかりに(ちょっと予定より長めに)話させていただききました(ありがとうございます)。POW にとって、活動を一緒に広げる大切な仲間たちに、自分たちの活動のことや、みんなとやっていきたいことをしっかり伝えられて、とてもいい時間でした(次の日の大会も素晴らしかった!)。

(Goro)

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Hot Planet Cool Athletes
in 東京インターナショナルスクール
(2023年3月7日)

仲間の紹介で繋がった、スノーボードに熱心なファミリーのお子さんが通う東京インターナショナルスクールで、雪の話、気候変動の話をさせていただききました。日本の学校だと5年生に当たる子たちを対象に、環境教育プログラムHot Planet Cool Athletesを少しアレンジして、語りを変えて出来るだけ噛み砕いて話しました。ちょうど環境のことやSDGs のこと、気候変動のことを学んでいるタイミングだったということで、とても理解度が高く、様々な(レベルの高い)質問も考えてくれていて、とてもいいセッションが出来たと思います。「英語で」というリクエストだったので、自分にとってもいい学びの機会となりました。

(Goro)

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パタゴニア ディーラーズミーティング
(2023年3月8日)

パートナーでもあるパタゴニアが開催するディーラーミーティングに、5つの北海道のショップさんと一緒に参加してきました。初日はガイドの狩野恭一さんの案内で三段山を滑り、その後は狩野さんのスライドショーやパタゴニアの商品説明、ミーティングの最後に気候危機やPOWの活動についてお話しさせていただきました。北海道とはいえ、雪質の変化など気候変動が着実に冬に影響を与えている中、雪山の現場や業界の動向をつぶさに見ているショップの皆さんとの意見交換は有意義な時間でした。ミーティング後には、POWのショッププログラムに新たに参加登録してくれてるショップもありました。ギアやフィールドの話に加えて、そこで起きている環境の問題についても会話、アクションするショップが増えてくることを期待しています。(Shotaro)

Photo: Yusuke Kunimi

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SNOW AGED CAMP
(2023年3月11日)

Brewing for Narure 、ビール醸造を通じて自然環境や消費活動の在り方について考える、日本のローカルブルワリーの緩やかなネットワーク。イベントを通して地域の環境活動を紹介し、寄付を集めることにも取り組んでいます。今回はスキー場(群馬みなかみ ほうだいぎスキー場)でのイベントということでPOWに声をかけてくれました。春の陽気の週末ゲレンデにクラフトビールの屋台が立ち並び、アンバサダーの中山悠也さんのライディングセッションやBurtonのA Day for Jakeなど、POWの仲間たちの催しも同時開催され、大いに賑わいました。群馬でのイベント出店は初めてということもあり、多くの出会いにも恵まれ、翌日には片品村に移動し、尾瀬のゼロカーボンパークの状況を地元の関係者の方々に聞かせてもらう機会もありました。

(Shotaro)

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BURTON Mystery Series
in エイブル白馬五竜
(2023年3月15日)

Burton Mystery Seriesの第2弾は、Burtonがグリーン電力証書を用いてリフトの電力をCO2フリー化したアルツ磐梯に続き、POWのパートナー企業でもあるエイブル白馬五竜のRE100ナイターゲレンデで知られるとおみゲレンデで開催されました。当日はエスカルプラザ内のBurtonショップにてPOWブースを出展。五竜スキー場が今回のタイミングに合わせて制作されたRE100ナイターゲレンデ紹介パネルと合わせてイベント参加者、一般のお客様に知ってもらう機会となりました。ゲレンデではアンバサダーで大会MCも務めた中山悠也さんが参加者に向けBurtonとPOWのパートナーシップ、そしてPOW出展について何度もアナウンスして下さいました。パートナー企業2社、アンバサダーの連携した動きにスノーコミュニティ内の繋がりができてきたことを感じ、今後のこうした協業に大きな期待が持てました。

(Seto)

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メディア掲載情報


Fulmen「雪が減り続けるこの地球で、スノーコミュニティから何ができるのだろう
:アンバサダーサミットのレポートを書いてくださった鰐渕涼子さんが、ご自身のメディアでPOW JAPANの活動について紹介してくださいました


北海道新聞「春の山 雪質に異変」(2023年4月12日掲載)


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