【開催レポート後編】再エネ導入セミナー 〜スキー場の実践例から学ぶ、導入のリアルと第一歩〜
再エネ導入セミナー 〜スキー場の実践例から学ぶ、導入のリアルと第一歩〜 -開催レポート・後編- 本記事は、 ①前編 「スキー場の再エネ導入ってどうやるの?」に応えるセミナーの内容をご紹介! ②後編 「実際の再エネ導入のリアル」なパネルディスカッション の2編で構成されています。 再エネ100宣言 RE Action(アールイーアクション、以下、RE Action)金子さんのご講演に続いて、実際に再エネを導入したかたしな高原の澤さん、戸隠スキー場の戸谷さんを交えた、パネルディスカッションを行いました。 後編では、実際に再エネ導入を進めている目線から、実際のプロセスや、費用に関するリアルなお話をお聞きしました。 POW Japan 武井) まずは自己紹介からお願いします。 かたしな高原スキー場 澤さん) かたしな高原スキー場の澤と申します。60年近く続くスキー場です。 2021年に段階的な再エネ化を目指して、まずは再エネ30%からスタートしました。しかし2021年、2022年は電力価格が1.5倍から1.8倍ほど上昇し、事業運営に大きな影響があったため、再エネ利用を中断しました。それでも「やっぱりやろう」と踏み直し、今年(2025年)4月ようやく再エネ100%の切り替えにこぎつけました。 再エネ導入の理由は大きく2つあります。一つは、自然の中で働いている私たちは、気候の変化を日々実感しているからです。花の咲く時期や雨の降り方が狂ってきているのを体感していて、「自分たちにできることをやろう」と思ったのが出発点でした。 もう一つはマーケティングの観点です。以前、POWさんからアメリカのベイル・リゾートの事例を教えてもらい、「サステナブルな取り組みがブランド価値につながっている」という話を聞きました。環境に対するアクションをどのようにしているかで、お客様が行くスキー場を決める時代が来ている。日本でもそういう時代が来ると思い、自分たちの魅力やお客様との信頼関係を強化する一環として、再エネの導入を決めました。 POW Japan 武井) サステナブルな取り組みとして、分かりやすいものは他にもあると思いますが、目に見えない電気の再エネ切り替えを選んだのはどうしてですか? かたしな高原スキー場 澤さん) 電力は目に見えませんが、私は「再エネ100%で運営している」というのは非常にわかりやすいメッセージだと思っています。自然の中でやるビジネスであるけれど、大量に電力を使うスキー場だからこそ、それを再エネに切り替えることには意味があると思いますし、ゲストにもメッセージが届くと思っています。ただ、「再エネ100%」というのは、あくまで契約の話なので、血の通った取り組みとは言いにくい面もあります。なので、みんなで汗をかいて生ゴミをコンポストして畑で使ったり、山形の湯殿山スキー場が太陽光パネルを持ってロープトーを回したように、体験的なアクションにも取り組み、伝え方も工夫していきたいと考えています。 戸隠スキー場 戸谷さん) 戸隠スキー場の戸谷です。
ブローシャーが新しくなりました
ブローシャーが新しくなりました POW JAPAN事務局 来年で発足から5年を迎えるPOW JAPAN。私たちの名詞代わりとなる「ブローシャー」を刷新しました。 ブローシャーは、ブース出展時やショッププログラム加盟店にてお配りしています。Protect Our Wintersとは何か、何を大切に、どこを目指して、どんな仲間と歩んでいるのか。できる限りわかりやすく、でも私たちの活動の「本質」も手にとっていただいた方と共有できるように、事務局皆んなで頭を突き合わせ、紡ぎ出しました。ぜひ、手にとってメッセージを読んでいただけたら幸いです。 イラストやデザインは丘広大さん(@kodaioka_artworks)に依頼。イラストたちが親しみやすさを与えてくれています。 ブローシャーを新しくするにあたり、まずは「本当に紙で伝える必要があるのか」からスタートしました。やっぱり紙にしよう、となれば、紙や印刷工程において少しでも環境負荷やCO2排出量を減らせるように、先進的に取り組まれている大川印刷さんに依頼。今回はFSC認証を取得した用紙を採用しましたが、その他にも竹を原料とした用紙やノンVOCインキ(石油系溶剤0%)を使った印刷、さらに自社印刷工場の屋根に設置される太陽光パネルで自家発電しており、そこで賄えない電力は風力発電由来の電力を購入するなどして「CO2ゼロ印刷」を試みるなどの徹底ぶり。ぜひ大川印刷さんのWEBサイトを覗いてみてください。 大切な資源を使って造らせてもらったからには、皆さまのお手元に少しでも長くあってほしい、そんな思いを込めて、今回のブローシャーの裏面には一枚の写真を採用することにしました。 この写真はアンバサダー/プロスキーヤーの佐々木大輔が推薦した一枚。 "地球の長い月日が作り出した奇跡の様な斜面"Hairy tongue"(ぞっとする舌)。2008年、全力でターンを刻んだ。今は溶けてしまい、この世には無い。今を生き。楽しみ、地球の未来の為に何が出来るのか、考え続けていきたい。" – 佐々木大輔 佐々木がターンを刻んだのは、想像もできないほど大きなスケールのアラスカの氷河。地球温暖化は氷河を溶かし続けていて、この場所も例外なく「かつてそこに存在した」場所となってしまいました。 このショットを撮影したのは氷河に魅了され、何年もアラスカの氷河を撮り続ける写真家の山田博行さん。 "地球の環境変化の視覚的な尺度としての巨大な氷河の後退は驚異的としか思えない。毎年氷河を追っていく中で、夏の異常気象、大規模な山火事、溶けゆく永久凍土での倒壊する森林から極北の人々の暮らしまで温暖化によって連鎖的に引き起こされる影響までも、もう無視することはできなくなってしまった。いつまでも変わらない原始性を秘めた手つかずの大自然、そのアラスカで奇しくも後退してゆく氷河はいま地球上で最も速いスピードで消滅していっているモノのひとつなのである。地球温暖化がもたらす影響について国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめる報告書の原案では、温暖化ガスの排出削減が進まないと、北極の氷が解けるなどして今世紀末までに海面が最大1メートルを超えて上昇すると予測した。高潮や洪水によって世界の10億人が危機にさらされ、2億8000万人以上が家を失うことになると発表された。 写真は10年前のValdezでの佐々木大輔による滑降。懸垂氷河でブリッジコネクトされたこのフェイス(通称 Hairy tongue) はもう存在しない。" - 山田博行 「いつか滑れなくなるかもしれない」という厳しい現実を痛感すると同時に、「だから今行動しなければ」と背中を押される一枚。このストーリーに加え、圧倒的な大自然の景色としても、迫力ある滑りのショットとしても、受け取るものが盛りだくさんのこの写真を選びました。このブローシャーが手元に届いたら、ぜひご自宅に貼ってもらえたら幸いです。
株式会社シール堂印刷の環境配慮型シール
株式会社シール堂印刷の環境配慮型シール POW JAPAN事務局 本当にありがたいことに、白馬界隈ではPOWのステッカーを車やギアに貼ってくださる方をよく見かけます。高速道路を走っていたときに、追い越していった車の後ろにPOWのステッカーを見つけたときは、なんだか感無量でした。POWのことを知っていますか?の質問に対して「ステッカーでロゴは見たことあるよ」と回答する方も多く、ステッカーが私たちの活動を広げてくれているという実感もあります。 さて今回は、そのステッカー印刷でお世話になっている「シール堂印刷」さんにお願いして、シールの裏側について寄稿いただきました。ものづくりにおいても、こうして心強いパートナーが同じ方向を見て、寄り添ってくださることを、本当に嬉しく思います。ぜひお読みいただき、そしてみなさんのヒントになれば幸いです。 今回、主役のステッカー この度は、貴団体(一般社団法人Protect Our Winters Japan以下 POW様)と環境配慮型シールについてお話の場をいただきお礼を申し上げます。 まずはPOW様において採用いただいてる材料の詳細を記載させていただきます。 次の材料をご採用いただいております。 ベース(基材):発泡PET 材質の空洞化構造により一般的なPET合成紙と比較して、約21%の原料を削減し再生PETを25%以上使用してます。軽量化と再生PETの使用により、同じ厚みのPETフィルムを製造する場合と比べ、CO2の排出量を27%削減してます。 ラミネート:PET#16GRラミ用 再生PET樹脂を80%以上使用。一般的なPETフィルムに比べ、製造工程で排出されるCO2を24%以上削減してます。 また基材の発泡PETの“糊”は、バイオマスマーク取得粘着剤。バイオマス樹脂を20%以上配合した粘着剤です。合成樹脂のみからなる粘着剤と比較すると、CO2の排出量を12%削減します。 以上の内容が現在皆様にご採用いただいてるシールの材料の詳細です。 ステッカーの裏面 私自身が初めてPOW様の担当をさせていただいた時(2年ほど前)、団体名に強いインパクを受けました・・・直訳でいいのでしょうか、「私たちの冬を守る」、これを目にしたときこの内容はここ数年起きてる地球規模の問題(私は地球が“悲鳴をあげてる”と感じております)への取り組み・意思表示に思えて、作成させていただくシールも皆さんの活動趣旨に少しでも寄与できるものを考えなければと思いました。 みなさんの採用いただいてるシールは、屋外(雨の日も含む)、雪の中のシチュエーションが多く、濡れることへの予防措置は必須になるので紙ではなくフィルムを採用する必要があることが分かりました。前任者もこの部分を考慮していくつかの材質を選んでおりました。仕様を見たところ、脱塩ビを意識したものでした。 この状況を知った時に、ここ数年でシール材料業界においてもかなり“環境配慮型”と呼べる材料がリリースされているので、是非ご提案させていただきたいと感じておりました。 そんな時、POW様よりロゴシールの増刷(追加印刷)のご連絡をいただきました。私が提案するより先にではなく担当の小松様より「最近、様々な環境に配慮したものが出てきている中でシールはどうですか。ロゴシールを増刷するにあたって今より環境に優しい仕様はできないですか?」とのこと。営業としては先にご提案できずに申し訳ない思いと、このようのご要望をいただき大変うれしい気持ちにもなりました。このようなことがあり、現在のシール仕様になっております。 スキーの板やボトルに貼っても、剥がれない耐久性 脱プラ(プラスチック使用料減少)・CO2削減 を進めるにあたり仕様におけるもっと数値の高い材料やバイオマス材料のリリースもされていますが、今現在の使用目的、人から人へ渡すことに適している仕様(シールの厚み・質感、台紙の材質・厚みなど)として現在の材料をご提案させていただいております。今後もこれら環境への対応として材料も変化してまいります。不定期はなりますが是非ご案内させてください。 少しシール堂印刷の現在までのお話をさせてください。 なぜ環境配慮型シールに注力したか。弊社(株式会社シール堂印刷 以下シール堂)は、シールを長年扱ってる中で、どうしても製品を仕上げるまでに“ヤレ”(製品以外の部分の材料)が出てしまいます。もちろんこれらの削減を考え製造はしておりますが難しい問題でもありました。 このようなことを背景に、早くから環境への配慮を促進しておりました。いかに無駄を出さないようにするか、廃棄物の取り扱いはどうするかなど多くの問題にも取り組んでいます、現在はデジタル印刷機の導入で“ヤレ”は非常に少なくなり、工場での廃棄物の多くは固形燃料になっております。また使用するエネルギーも今後は考慮していきたいと考えております。 近年では、SDGsの広まりの中でお客様からも「環境に配慮したシール」の作成の声がさらに増えてきております。皆様からいただいたご要望そして、どのように使用されるものなのかをお聞きして、できるかぎり環境への配慮を含めご提案できるように努めてまいります。 是非、これからも皆様のご要望、環境に対する思いをお聞かせください。 2022年11月07日 株式会社シール堂印刷 田邉
POW JAPAN、北海道へ
POW JAPAN、北海道へ Goro Komatsu 怒涛の一週間が終わり、気付けば再び北海道の南端新函館北斗に向かって電車に揺られています。 2021年8月、今回の北海道トリップ。 北海道出身の自分は、仕事の日以外も、家族に会ったり友人に会ったりと、かなり忙しいドタバタの滞在期間を過ごしました。各スポット数時間(あるいはそれ以下)とかだったけど、多くの人と本当に濃い時間が過ごせた。 前半は、去年から始まった札幌市との取り組みに関連するミーティングや、北海道在住の POW アンバサダー、様々なキーパーソンたちとのミーティングをこなし、後半は今回のメイン・イベントであるサーフムービー「Breath in the moment」の上映会イベントへの参加。 POW として出展し、学生向けの環境教育プログラム “Hot Planet Cool Athletes” もやらせてもらいました。 もちろんスノーボーダーとしても馴染み深い北海道。アウェイのようなホームのようなこの場所での(POW としての)デビュー戦を、こんな最高で温かいイベントで迎えられたことは本当にありがたかった。 ブースでは、友人たちやその日出会った人たちと、多くの話をし、北海道のみんなの気候変動に対する思いや感覚を聞かせてもらいました。すでに雪が雨に変わっている本州のスノーエリアと比べると大きな変化が見えづらい北海道。2年前に訪れた時は「いやー、本当に(気候変動は)起こってるのかねー?」という意見も少なくはなかった。しかし今回(7月後半)のタイミングはこれまでの北海道では考えられないような猛暑の真っ只中、誰もがその尋常ではない暑さの話をし、危機感を覚えていた。 “Hot Planet Cool Athletes” は、60人近くの方(うちのオカン含む)にかなり真剣に聞いて頂けて、実施後は絶賛の嵐!(大げさに言っております。) 自分が上手く話せていたかどうかはさておき、今地球で起きている変化や、何故私たちが今行動を起こさなければならないのか?多少なれど伝えることは出来たと思います。 ▲地元紙で掲載いただきました そしてそのプログラムの後、この映画を作ったプロサーファーで映像作家の和光大さんと、北海道大学の研究生で海洋汚染を調査している小川モニカさんと一緒にクロストークもさせて頂きました。冒頭でモニカさんの研究をスライドを交えて見せてもらい、海の汚染・マイクロプラスチック問題の深刻さが改めてよく分かりました。ネット上などで流れている情報からその状況は伝え聞いてはいたものの、実際に彼女が北海道の海で採取した海水から取り出したマイクロプラスチックの量に愕然となりました。想像は出来ていたものの、本当に信じられないような状況を私たちは生み出している。レジ袋やストローなどいくつかのものが廃止されるなど、多少の進歩も見られていますが、野菜をパッケージし、何から何まで個包装(袋の中に袋)する日本がやるべきことはまだまだ多い。今まで以上にそれを思うことが出来ました。モニカさん、ありがとう。 ▲小川モニカさん、和光大さんとのクロストーク そしてイベントのメインコンテンツである映画 「Breath in the moment」 すごく良く映画でした。「ライディング」「トリップ」だけにフォーカスしたものではなく、サーフトリップを通して環境問題に触れている作品ならではの後味があるのは間違いないけど、普通に面白い映画でした。ライディングもカッコ良かった。等身大で一歩ずつ理解を広げながら成長していく彼らと共にサーフトリップに加わったような感覚がすごく良かったし、ただサーフ(スノーボード)して帰ってくるだけじゃなく、その国の人やカルチャーにしっかり触れてくることの贅沢さと、大切さを改めて教わった気がします。ぜひ多くの人に見てもらいたい。特に、打ち込んでいるスポーツやアートなどで海外(&国内の別の地域)に行ってるような人たちはマストです。ここから日本各地で上映会が行われるようなので、ぜひ@breath_inthemoment をフォローして見て下さい。 それ以外にも様々なワークショップ、こだわりの出店、心地よい音楽、そして会場となったカミニシヴィレッジの新しいような懐かしいような包容力、素晴らしい出会い。本当に最高な、素晴らしいイベントでした。 和光大ちゃん、(会場の)カミニシヴィレッジ(@Kaminishi_village) のソウシくん、POW を呼んでくれた(中村)陽子、&繋がってくれた皆さん。本当にありがとう。 久しぶりの真夏の北海道。今回のトリップで「やっぱり北海道は最高だ。」と再確認出来ました。みんなありがとう!! また、この冬にかけて、札幌市との取り組みが進みます。その時また、繋がれると嬉しいです。 ありがとうー。 追記: 今回のイベントでの収益の5%を POW JAPAN
POW EARTH WEEKを振り返る
POW EARTH WEEKを振り返る Shotaro Takada POW EARTH WEEKに参加してくださった皆さま、ありがとうございます。 多くの方に関心を持っていただき、参加いただけたことを、とても心強く、そして頼もしく思っています。 POW JAPANでは4月22日のアースデイに合わせて、気候危機を訴える若者のアクションを応援、全国の市民・環境団体との署名提出や街頭スタンディング、NIKEやMAMMUTといったウインタースポーツの枠を越える企業との連携など、様々なイベントを企画しました。 これらの企画をきっかけに、皆さんと一緒に考え行動を起こすことで、地球への感謝と、「この素晴らしい環境を未来につなぐ意思」を表すことがPOW EARTH WEEKの狙いでした。 また、この期間には気候変動対策のカギを握る政治的な動きも予定されていたので、ここへの関心を高めることも企画の背景にありました。 4月22、23日にバイデン米大統領が主催したオンラインの気候変動サミットでは、主要な排出国が相次いで新たな温室効果ガス削減目標(NDC)を表明し、日本の菅首相も2030年度に「2013年度比46%削減」、という目標を掲げました。 従来の「2013年度比26%削減」からの引き上げによって前に進んだ感はあるものの、他の先進主要排出国と比べても野心的な数字とは言えない状況です*1。また、気候変動による様々な被害を抑えるための「世界平均気温上昇を1.5℃未満に抑える」という、国際的な合意を達成するためには、更なる上積みが求められています*2。 1.5℃と言われてもイメージしづらいかもしれませんが、世界の平均気温は産業革命前(1850~1900年)から1.2℃上昇したと言われています。さらに、昨年の世界平均気温は基準値(1980~2010の30年間の平均値)より、0.45℃高くなっています。わたしたちがスキーやスノボードを始めた頃と比べ、たった0.45℃気温が高くなっただけで、厳冬期に降る雨、短くなっていく冬、凍らなくなった湖など、明らかな気候と環境の変化を目の当たりにしているわけです。 温暖化の影響を最小限に抑えるために、日本はより高い目標設定と実践が求められているのです。とはいえ、昨年10月の「2050年カーボンニュートラル」、今回の「温室効果ガス2013年度比46%削減」が宣言されたことで、今後は企業や自治体の目標や計画が、これらの宣言に引っ張れる形で発表されていくことになるでしょう。これは気候問題解決の大きな推進力になります。 では、わたしたち一人一人には何ができるでしょうか? 国の数値目標は掲げられましたが、それはある意味、目指すゴールが示されただけで、その道筋が描かれたわけではありません。これからの「選択と行動」の積み重ねによって、目的地へのルートは徐々に明らかになっていきます。日々の消費行動を意識し、選挙や署名活動などを通して声を届けてみる。モノや資源を大事に使い、時には新しい技術にチャレンジしてみる。今までの考えや行動を変えてくための一歩を踏み出す勇気が問われています。 脱炭素社会の実現は、エネルギーや食や農業、住宅や交通からまちづくりまで、いま、社会が抱えている様々な課題を同時に解決する可能性を秘めています。その多くは、自分たちの生活、暮らす「まち」から始まるものです。世界や日本が掲げる目標に向かって、個人や、地域による取り組みを積み重ねていく。そんな挑戦はきっとワクワクするものに違いない、そう思っています。 わたしたちは日々の暮らしや、雪山や川、海といったフィールドでの遊びの中で、この地球で生きる喜び、感謝、敬意といった感情を育み、自然のルールを学んでいます。一方で、自然の許容を超える形で資源を使い続けてきたことによって、生態系の破壊や気候変動など、取り返しのつかない事態も目前に迫ってきています。 当たり前だけれど、つい見えなくなってしまうこと、私たちは “地球の上に生きている” ことに気付かせてくれる、そんな効果がアースデイにはあるように思います。POW EARTH WEEK では、自然を愛する多くの仲間の存在を再確認することができました。 「毎日がアースデイ」を実践し、いま地球が抱える問題を解決していくための力となれるよう、POW JAPANは活動を続けていきます。 *1 Friday For Futureのinstagramにて、各国のNDCの比較がわかりやすくまとめられています。 *2 Climate Action Tracker POW EARTH
一歩踏み出してみて
一歩踏み出してみて Nanami Takei 初めまして、POW JAPANでインターンをしていた武井です。 「気候変動に対して何かしたい!でも、何をしたら良いんだろう・・・」と悩んでいたときPOWとの出会いがあり、2020年10月から約5ヶ月、インターンシップとして活動してきました。 インターンの最後にこの場をお借りして、気候変動という途方も無いほど大きな問題に対しても、一歩踏み出せば、出来ることは沢山あるし、その行動を応援、手助けしてくれる人が沢山いるということを伝えたいです。 まず、私の自己紹介を簡単にさせてください。 大学を卒業後、青年海外協力隊員として西アフリカのベナン共和国で1年ほどボランティア活動をしていました。その時、干魃で作物が採れないのを目の当たりにし、豪雨で自分の家に住めなくなった人々に出会ったことがきっかけに、気候変動は人の命に関わる問題であると痛感しました。帰国後、京都大学大学院の修士課程で勉強しながら、気候変動に対して何かしたいと思っていた時に、ご縁があってPOWと出会いました。その後事務局長とオンラインで面談し、初代インターンとしての活動が決まりました。(詳しいプロフィールはこちらからご覧ください) はじめてPOW事務局メンバーと会った翌日に訪れた「気候変動を知るin野沢温泉」(著者は左から二番目)。ここで出会ったアンバサダーの河野健児さんからヒントをもらった。 インターンがはじまってすぐ、白馬を訪れ全員が集まるミーティングに参加しました。その時の感想は、スピード感が早い、対スキー場や対地方自治体など企画のスケールが思っていたより大きい。「こんな団体で私が貢献できることはあるのか?!」と最初から自信をなくしました(笑)。 翌日、「気候変動を知るin野沢温泉」に同行し、気候変動講習を見たり、受付を手伝ったりしました。イベント終了後にはPOWアンバサダーの河野健児さんを交えて、POWのこれからの活動について会話していた際に、河野さんから「バックカントリーやフリーライドだけでなく、競技スキーなどの様々なジャンルの滑り手も巻き込んでみては?学生に対してアプローチするのも良いのでは?」と貴重な意見をいただきました。 私は学部生時代にアルペンスキーをやっていたし、学生という立場でもある!これを生かして、今までの私のようにPOWを知らなかった人達に対してPOWを広める活動をしようと思いました。 方向性が決まれば、その後は早く、数回のミーティング(私は京都からオンライン参加)で、POWのパートナーでもある白馬岩岳スノーフィールドで開催される「岩岳学生スキー大会」にブースを出展するという具体的なアクションが決まりました。 人生で初めて企画書を作り、提案をするために再び白馬へ。ローカルのプロスノーボーダーでもある福島 格さんのご協力もあり、大会事務局の方にも快諾して頂けました。 (上)2月に行われた岩岳学生大会 基礎の部。(下)ブースに立つ武井。 大会当日。まずは2月下旬に行われた岩岳学生スキー大会の基礎の部にお邪魔しました。ブース出展初日にブースに来てくれた方はわずか3人。せっかく、ここまで色んな人に協力してもらったのにどうしよう、と不安になりました。たしかに、選手だったら大会に集中したいし、私も現役の時は、競技で結果を出すことだけに集中していて、気候変動の「き」の字も浮かばなかったし、興味もなかった。でも、そんな自分だからこそ、同じように競技に集中する人達に対してのアプローチも思いつくのでは?と考え、他のメンバーにも相談しました。 そこで、大会が終わった選手が訪問しやすいように、室内にブースの位置を変更しました。しかしそれでも、誰も来ない・・・。 その時、POW事務局方々が、自分から学生に声をかけはじめていました。私も学生に声をかけたいと思うけど、なかなか勇気がでずブースで一人モジモジしていました(笑)。 数分後いざ、勇気を出して話しかけると、POWの活動について好意的な反応をしてくれたり、「活動、頑張ってください」と応援してもらえたり、たまに無反応の人もいたりと色んな反応が返ってきました。「POWの活動はとても重要なんだ」と認識する一方、まだまだ知名度も低いし、スノーコミュニティーの中でも伸びしろが沢山あるなと感じました。 3月に開催されたアルペンの部。雪はかなり厳しい状況。 3月上旬に行われたアルペンの部では、POWの事務局スタッフだけでなく、ボランティアの方々も手伝いに来てくれました。会場設営から学生との会話、最後の撤収作業まで、本当に積極的に動いてくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。 そして、アルペンの部では私もモジモジせず(笑)、色んな方とお話することができました!特に私自身もアルペン競技に打ち込んでいて、この大会にも参加していたこともあり、一緒に練習していた友達やコーチの方々を通して、多くの方々にPOWの活動について話すことが出来ました。「POWのステッカー貼りましたよ!」と言って、スキーブーツを見せてくれた時には感激しました! この大会をもって、私のインターン活動は終わりました。POWの事務局長と面談したことがきっかけで、こんなに自分のなかで変化が起きて、行動できて、とても驚いています。 この記事を読んで頂いた方の中には、 「気候変動について良く知らないし・・・」 「今まで何もしてこなかったし・・・」 「スキーもスノーボードも初心者だし・・・」 という方もいるかもしれません。でも、だからこそ「あなたにしかできないこと」があると思います。そして、あなたが一歩踏み出せば、きっと背中を押してくれて、助けてくれる人は沢山いるはずです。 私は、ひとまず修士論文の執筆に注力しますが、時間ができたらまた新たな一歩を踏み出したいと思っています。そして、今回背中を押してくれたり、応援してくれた方々のように、誰かの一歩を応援する人でもありたいと思っています。 最後に、こんな活動の場を用意してくださったPOWの皆様とPOWを支えてくださっているオーディエンスの皆様、本当にありがとうございました! 大会前日にPOW事務局メンバーでセッション。
私たちにも、できること
私たちにも、できること Yukiko Komatsu 「雪が降ったら、絶対に一緒に滑ろう!」 それは河野由貴子と橋本通代がPOW JAPANのアンバサダーに加わってすぐに決めた私の小さな目標、ミッションでした。 リフトに乗れば、あの頃の話で盛り上がる私たち。 2人とはカナダのウィスラーで出会いました。独身時代は3人とも日本と海外を飛び回りそれぞれの活動をしている中でも、滑る時間やそれ以外の時間を共有し、毎回会えた時に聞く近況報告がとても楽しみでした。迷ったとき、行き詰まったときは彼女たちに常に支えてもらっていたし、2人を近くに感じることだけでもたくさんの刺激と学びをもらってきました。 「森の中は雪が良さそうじゃない?」みっちゃんの到着まで雪の状態をチェックする。 それにしても、最高の天気に恵まれた。 ふっと訪れた16年ぶりの再会、そして雪上でのセッションが決まったこの日。 「いってらっしゃい」と送り出してくれた家族にも、最高に恵まれた天気にも、心から感謝しながらゴンドラに乗り込み、カリカリのアイスバーンでさえも「やっばい!最高ーーーっっ!!」と叫びながら滑る私たち。数本、ゲレンデライドを楽しんだ後にアバランチセットを持って再スタート、いざふわふわの世界へ。 野沢温泉のローカル、河野由貴子が今日のガイド。 野沢温泉スキー場のこと、森のこと、いろんなことを彼女から聞きながら、雪上を歩く。 以前、2人からもらった刺激や学びは今も変わらず、久しぶりに会えたからこそお互いの強くて逞しい部分を再確認し元気をもらえたし、自分に足りないものに新しく楽しい目標ができたりもして、時間が経った今でも、やっぱり2人には最高のリスペクトを感じました。 16年ぶりの雪上セッション みんな母になり新しい家族との時間、それぞれの状況下でスノーボードと向き合う時間を過ごした十数年間。会えるなんて簡単に想像が出来なくなるくらい、いつのまにか長い年月が経過し、状況が変化していく中で、私たちには「POW」という共通点が生まれ、それぞれの存在をまた近くに感じられるようになっていきました。 滑ること、話すこと、いい景色を見ること、美味しいものを食べること。共有できる時間は昔より限りがあるけれど、楽しい時間を宝物のように一つひとつを大事にして過ごしたい。 楽しんでいるからこそ、子どもたちが生きる地球の未来を本気で考える、その強い想いから生まれる最高の形を探して… 新しい何かが始まった予感がします。 私たち女性の感性や柔軟性を生かしてできること、私たちにしか出来ないことがある。 そこに雪があるから、そこにみんながいるから、私もみんなと楽しみたい。そして、守りたい。 以前は会えることが奇跡的なことに感じられたけど、16年ぶりに雪上で再会できたことで、ここからはじまる彼女たちとの時間に、期待とワクワクが今も止まりません。 またこうして一緒に滑れる日が来たことに心から感謝しています。 最高の1日をありがとう。
脱炭素社会へ、地域から変わる
脱炭素社会へ、地域から変わる HAKUBAはそのモデルケースになり得るか Shotaro Takada 「POWって白馬の団体でしょ?」 こんな風に思っている方も少なからずいるのではないでしょうか。実際にそういった反応も耳にしてきました。これはある意味間違っていないし、そう思われるのも当然と言えるくらいにHAKUBAエリア(大町、白馬、小谷)にフォーカスして活動してきました。でも、冒頭の問いかけにはこう答えたい。 「うーん、そうとも言えるけど、これからPOWの活動は全国のスノータウンにじわじわと広がっていくよ!」 夏と冬、全く異なる表情を見せる白馬の山々。冬の荘厳な出で立ちが滑り手たちを惹きつける。 多様な色彩を持つ春夏の白馬。 POW JAPANは気候変動という世界が直面している最も深刻な問題の一つに、滑り手のスタンスから取り組んでいます。その活動は二つに大きく分けられます。一つは全国のスキーヤーやスノーボーダー、自然愛好家たちに対して、問題解決に向けてアクションを起こそうと呼びかけること。もう一つは、国や自治体、企業など、社会の仕組みに対して大きな影響力をもつセクターに自分たち(滑り手)の声を反映させて、実際に変化を生み出していくこと。これまでにHAKUABAエリアに焦点を当てて活動してきたのは、後者の成功事例を作るためでもあります。 2019年春以降、POW JAPANのHAKUABAエリアでの活動は多岐に渡ります。シンポジウムや各種イベントの開催、応援署名収集や気候マーチの協力、各スキー場との意見交換や勉強会。こうした活動の積み重ねや、地域の多様な仲間たちとの連携によって、HAKUBAエリアのスキー場による環境の取り組みや、白馬村、小谷村の「気候非常事態宣言」など、地域の変化の兆しは至るところに見られています。 昨年6月に開催したシンポジウムの様子。 9月、白馬高校の高校生たちを中心に行われた気候マーチ。 HAKUBA内のいくつかのスキー場では再生可能エネルギーへの電力切り替えや、LED照明の導入、断熱設備の拡充によるエネルギーの脱炭素化や省エネへの推進が行われています。また、カープールパーキングの設置や、索道ユニフォームにPOWロゴを入れるなど、お客様への啓蒙に繋がる取り組みも見られます。従業員への気候変動講習を実施するなど、社内教育の機会も作られています。 この春には(たぶん日本のスキー場では初めて!)八方尾根スキー場にSDGsを専任する部署が設けられ、来たるウインターシーズンにはHAKUBAのスキー場における再エネへの切り替えの動きが昨年以上に広がっていきそうです。 白馬八方尾根スキー場のアルペンクワッドリフトでは、2020年2月より通年で「CO2フリーメニュー」を適用し、CO2ゼロで運行中。 エイブル白馬五竜で行われた従業員向け勉強会。 そして、2020年春。コロナ禍で大変な時期にも、さらなる変化に繋がりそうな二つの会議が現在進行中で開催されていて、光栄なことにPOWも委員の一員として参加させていただいています。 一つは、大町市、白馬村、小谷村の三市町村の観光に携わる地域連携DMOである『HAKUBA VALLEY TOURISM(HVT)内のSDGs委員会』。この委員会ではHAKUBA VALLEY内の行政やスキー場、宿や飲食店などがエコツーリズムの実践の場として、それぞれの業種でできるSDGsの取り組みを検討しています。POWは当初、スキー場の気候変動対策を後押しすることを一番の目的に参加していました。しかし、エリア全体が持続可能な自然環境、社会を目指す動きは、そこで暮らす人々が豊かさを感じ、魅力的な観光地としてあり続けるためにも求められるチャレンジです。そういった意味では、気候変動の問題だけにとらわれず(それにSDGsの17の目標の多くは、気候変動に関連する内容です!)、この取り組みの着実な成果を出すために貢献したいと考えています。 もう一つは、『白馬村再生可能エネルギーに関する基本方針等連絡協議会設立準備会』です。とっても長い名前なのですが、簡単に言うと、昨年末に白馬村が出した気候非常事態宣言をいかに具現化していくか、再生可能エネルギーをどう位置付けていくかを検討する委員会です。気候変動の主要因となっているCO2の排出を減らすために、再生可能エネルギーは欠かせないツールではありますが、「白馬村に適している(または、市民に受け入れられる)エネルギー源は何なのか」「豊かな自然環境と共存できるのか」「気候変動対策と同時に地域内の経済循環に繋がる仕組みは?」など、様々な切り口から村内の再生可能エネルギーのポテンシャルを他の委員のみなさまと検討していきます。 HAKUBAではこのように行政、企業、市民団体や学生が連携しながら、地域の脱炭素化を推し進めるプロセスがはじまっています。POWはこれらの動きに伴走しながら、ここで得た知識や経験を、他のスノーリゾートや自治体にも活かしていきたい、そんな風に考えています。 そして、徐々にではありますが、この取り組みの横展開に向けて、北海道や長野、新潟、群馬、岐阜などのスノータウンの方々とも意見交換や企画検討を進めています。 冬を守るために、行動を起こす。そして、さらには地域を変える。 そんな思いある全国の滑り手の活動をサポートができるように、まずは白馬からモデルケースを作っていきます。
「再エネへの切り替え」が「考え、話しあい、決めていく」のきっかけになることを願って
「再エネへの切り替え」が「考え、話しあい、決めていく」のきっかけになることを願って Goro Komatsu 「Change is POWer」キャンペーンに参加してくださったり、関心を寄せてくださりありがとうございます。 POWがなぜ電力会社みたいに電気の切り替えを宣伝しているか、それは私たちが日常的に使用する電気を発電する際に排出されるCO2が気候変動と大きく関わっているから(詳細はWEBページをご覧いただけたら嬉しいです)。私たち一人ひとりが再エネに切り替えることで、CO2の削減に大きなインパクトを与え、それが日本の電力事情に変化をもたらすチャンスになるかもしれません。 インパクトがあって、とても簡単にできるアクションだからこそ、皆さんにやってみてほしい、そういう願いを込めて、パートナー企業のサポートを受けて、今回のキャンペーンをしています。 しかし、再生可能エネルギーにも課題はあります。 実際に、このキャンペーンに多くの方が賛同してくださった一方で、否定的な意見もいただいています。 再エネへの切り替えを勧めている私たち POW も、再エネに関連する課題を認めています。山を切り開いて作られるメガソーラー、山や丘、海岸などに並ぶ巨大風車の影には、人々の生活や想いがあり、自然環境があります。大きく見れば「良いもの」と考えられるものでも、その細部を見るとそれが「脅威」となっている側面にも目を向けなければなりません。自然の風景やライフスタイルを愛し生きる者として、その想いは十分に理解できるものです。 とはいえ、現代のライフスタイルに電気は必要、というのもまた事実です。 電気無しで生きることが「絶対に無理」とは言いませんが、社会全体が目指す姿にはなり得ないでしょう。しかし、減らせる部分は確実にあります(日本では特に)。電気に限らず、様々な無駄をなくしていくための努力は、間違いなく必要です。 それでも、ある程度のエネルギーはなんらかの形で用意しなければならない。 じゃあ原子力発電所を新たに作ろう、となったらおそらく多くの人は反対します。原発事故の悲しさは、もはやほとんどの人が知っているはず。それでも新設するとなれば「電気を作るため」以外の理由が何かあるのかと疑ってしまうほどです。 では、石炭・天然ガスによる火力発電所はどうでしょうか?原子力のような恐ろしさとは異なるものの、それらが大気や気候に他の何よりも影響を与えているとしたら、廃止に向けて動き出すべきです。 生態系を壊し、川の姿を大きく変える「ダム」にも課題が多く、ダムをこれ以上増やしていくことは賢い選択肢とはいえません。 エネルギー問題は、本当に難しい問題です。出来ることなら考えないでいたい、というのが本音かもしれません。 しかし、毎日使う、文字通り私たちの生活を「支えている」ものだからこそ、本来はしっかり考えるべきなのです。福島第一原発事故、気候危機が原因とされる気象災害や雪の降りかたの変化、何十年も続くダム問題、そして、再生可能エネルギーについても。。 今回のキャンペーンを通して提案している再生可能エネルギーも、細部に目をやると現段階では完璧な答えではありません。気候危機の時代に対応する技術として世界各地で広まっていますが、なかには自然のことなど全く考えていない人や会社によって扱われているケースも実際にはあります。だからこそ、目を向けてほしい。しっかりと考えてほしい。 自然環境や周辺住民の暮らしと調和できているのか?、 この場所でいい?より良い形は? 自分や地域で自給できないだろうか? 再エネは脱炭素社会を目指すうえでは欠かせない存在で、大きな可能性を持っています。 その可能性を活かしたい。 再生可能エネルギーを選ぶ人が増えれば、そこに目を向ける人も増え、より良い形を実現する力が高まっていきます。 このキャンペーンをきっかけに切り替えてくれた皆さん、考えてくれた皆さん、やっぱり反対の皆さん、ぜひ一歩進んで、自分が使っているもの、選ぶものの背景や、そこで起きていることを知ってみてください。 そして、みんなで考える、話し合い、決められるようになる。今回のキャンペーンがそんなきっかけであることを願っています。 私たち一人一人の変化は「小さな力」でしかありませんが、同じように、「大きな力」に見えるものもその小さな力に支えられていることを、忘れないでください。 最後まで読んでくれてありがとうございます。 POW Japan 代表 小松吾郎
Get Social