”Deny the Denier (否定者を否定する)”キャンペーン
日本ではあまり大きなニュースになっていませんが、国際スキー連盟(FIS)会長のジャン・フランコ・カスペル氏が「気候変動は存在しない。」と発言し、国際的な批判が強まっています。
雪環境に身を置き、その恩恵の中に存在する団体を代表する彼が、雪の変化や気候の変化に気が付いていない(もしくは、気がつかないことにしている)というのはとても残念な事です。
そこで私たちの本部であるUS Protect Our Winters は ”Deny the Denier (否定者を否定する)”キャンペーンを立ち上げました。
これは、20年以上もの間 FIS のトップに居座り続けるカスペル氏の解任を求めるメッセージを、世界中からカスペル氏(FIS本部)に届けようというものです。
このリンクから繋がるページに自分の氏名・住所・Eメールアドレスなどを入力し、下段の[Send Email] を押すことで、解任を求める内容のメールがあなたからのメッセージとしてFIS に送られます。
参考としてアクションスポーツ系ニュースサイトThe Inertia の記事を訳したものを掲載します。
国際スキー連盟(FIS)会長が気候変動を完全否定
国際スキー連盟会長、ジャン・フランコ・カスペルが「気候変動の証拠は無い」と断言。また、インタビューの中で彼は「独裁者による国家においては、国際規模のイベントを開催することが非常に容易」だとコメント。
世界アルペンスキー選手権が開幕した今週、スイスの新聞社”Tages Anzeiger”が国際スキー連盟会長のジャン・フランコ・カスペルにインタビュー。そのインタビューにおいてカスペル氏は「気候変動は存在しない。」と断言。また大々的なイベントは独裁者により統制された国の方が成功しやすいとコメントした。
1998年よりFISの会長を努める75歳の彼は、インタビューの中で人工雪による環境負荷問題について批判した。
「人工雪は水の無駄遣いだと議論されている。結論はまだ見つからない。しかしながら、水の無駄遣いなどあり得ないのだ。必要とされるエネルギーはそれじゃない。自分の庭に水を撒くことが、無駄遣いになる訳がない。」
また、彼は“俗に言われる”気候変動についてもコメントしている。“俗に言われる”と言ったその意味を尋ねてみると、カスペル氏はこう説明した。
「証拠なんてどこにも無いじゃないか。雪は十分ある。時には十分過ぎるぐらいだ。」
ピョンチャン・オリンピックの開催期間中、気温が驚くほど下がったことを例に出した。
「オリンピック開幕当初から気温はマイナス35度だったんですよ。だから私の周りで凍えている方達にこう伝えました。”地球温暖化の世界にようこそ“とね。」
また、スイスがオリンピック開催国となる可能性について、カスペル氏はヨーロッパ諸国が再びオリンピック開催国になる事は無く、独裁者により統制された国においての開催が非常に容易であると断言。
「独裁国家こそ、オリンピック開催国に向いている。国民の意見など、聞く必要がないからね。」
カスペル氏のコメントに対する批判は強く。謝罪を求められている。
しかしながら、彼の攻撃的なコメントはこれが初めてではない。この70代の老人は以前、自ら熱湯の湯船に飛び来んだ過去がある。2005年、カスペル氏はNPR(National Public Radio)の取材に対して女性はスキージャンプ競技に出場するべきではないとコメントした。「覚えておいて欲しい。地面から2メートルの高さから飛び降りるのと一緒なのです。1年間に1000回以上もそれをする事が、女性に取って良いはずが無い。」と。
コロラド州を本拠地とする気候変動啓蒙グループ、Protect Our Wintersは彼のコメントに猛反発し、カスペル氏の退陣を要求している。
「スノースポーツコミュニティーは気候変動アクションについて肯定的でなくてはならない。リーダー的存在である人物が科学的根拠を完全否定するなど、容認することが出来ない。だからこそ、我々はアウトドアビジネスを主体とした気候変動と戦うグループを形成し、8870億ドル規模の業界であるアウトドアとスノースポーツコミュニティーとして、フランコ・カスペル氏の退陣を要求する。」
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