《スキー場向け》寄付付きリフト券「POWチケット」のはじめ方
【POWチケット導入セミナー開催報告】
「POWチケット」は、ゲストがリフト券購入時に、スキー場のサステナビリティ活動へ寄付できる仕組み。2025-26シーズンは全国11スキー場で導入され、応援の声と130万円を超える寄付金が集まっています。

「POWチケットに関心があるが、どうやって導入したらよいか分からない」「大変そう」「導入の効果を知りたい」
など、POWチケットの導入を考えているスキー場向けに、導入セミナーを2026年5月11日に開催しました。すでにPOWチケットの仕組みを活用しているスキー場から、担当者をゲストに迎え、実際の運用や各スキー場での事例について共有いただきました。
本記事では、セミナーの内容をもとに、POWチケットとは何か、効果的な導入の方法などをまとめています。「環境活動に取り組みたいけれど、何から始めればいいかわからない」「滑り手も巻き込んだ取り組みをしたい」というスキー場の担当者の方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
いつものリフト券の代わりに選ぶだけで、ゲストがスキー場の環境活動に参加できる
POWチケットは、スキーヤー・スノーボーダーがスキー場のサステナビリティ活動を金銭的にサポートできる仕組みです。ゲストは通常のリフト券と、寄付金が上乗せされたPOWチケットのどちらを購入するか選ぶことができます。
仕組みはとてもシンプルです。
たとえば通常のリフト券が6,000円、寄付額を300円で設定する場合、寄付金分を上乗せした6,300円のPOWチケットを販売します。
この上乗せ分が、滑り手からの寄付として、スキー場が進めるサステナビリティ活動(省エネ・再エネへの取り組みなど)に充てられます。

上乗せ金額はスキー場ごとに自由に決定でき、多くのスキー場では次のような金額を設定しています。
- シーズン券:+1,000円
- 日券:+200〜500円
対象とする券種も自由で、シーズン券・1日券・ナイター券など、既存のチケット種別に合わせて柔軟に導入できます。
自社サイトだけでなく「雪マジ」などのプラットフォームによる販路拡大も可能です。
2025-26シーズンは、POWチケットの合計販売数1,726枚(昨年比+44%)、合計金額1,312,900円(昨年比+62%)と、年々拡大しています。

POWチケット導入の効果
実際にPOWチケットを導入したスキー場からは、「思っていたよりずっと良かった」という声が多く聞かれました。
セミナーに登壇いただいた3スキー場の事例をご紹介します。
「お客様の応援が目に見えるかたちに」(戸隠スキー場)
戸隠スキー場の武井さんは、導入前の手応えについてこう話します。
💬 戸隠 武井さん
戸隠では、これまで積極的にサステナブルな取り組みを推進していたものの、実際の事例を具体的にお客様に見ていただく機会がありませんでした。POWチケットを導入することで、お客様に取り組みを知っていただくきっかけが生まれると思い、導入を決めました。
実際に販売を開始してみると、シーズン券購入者の約10%がPOWチケットを選択。教育関係の団体がまとめて購入するという予想外の広がりも生まれました。
💬 戸隠 武井さん
お客様からの反応も非常に良かったですし、スキー場内のスタッフの意識という点でもとてもプラスになったと思っています。
「メディアの取材につながった」(網張温泉スキー場)
網張温泉スキー場では、1月12日のスキーの日に「再エネ100チャレンジデー」を開催。ゲストから集まった寄付金をグリーン電力証書の購入に充て、当日の消費電力をすべて再エネで賄うというイベントを行いました。この取り組みから、地元テレビ局の取材につながり、想定を超える認知拡大を実現しました。

💬 網張 鎌尾さん
初めての試みでしたが、POWチケットをきっかけとして、POW事務局にも相談しながらイベントの準備を進めていきました。地元のテレビ局へのPRについても助言をもらい、連絡してみたところ、取材に繋がりました。
「スタッフが変わり、お客様にも届いた」(白馬八方尾根開発)
白馬八方尾根開発の松澤さんが特に力を入れたのが、社内への情報共有です。POWから送付されたPOWチケット関連の素材を社内コミュニケーションツールであるSlackで全社員に共有し、現場スタッフが自分ごととして環境問題に向き合える環境を整えました。その結果、現場から自発的なアイデアが生まれ、寄付で作ったベンチや看板を、チケット売り場に目につく形で置くという試みにつながりました。
💬 八方 松澤さん
リフト券販売スタッフからの提案で、寄付金で作られたベンチをチケット販売所の近くに置きました。
「皆さんからの寄付で作られたのが、あのベンチです!」と直接案内できることが、スタッフとしてもすごく誇らしいし、お客さんも寄付金の活かされ方を想像しやすい。こういうふうに使われるのだったら、POWチケットにしようかな、と思うきっかけになったと思います。
この取り組みにより、シーズン券購入者のPOWチケット選択率は10数%から30%以上に大きく伸長。さらに採用面でも「この取り組みをしている会社で働きたい」という志望動機を持つ社員が増えるという、うれしい変化も生まれています。

POWチケット導入のコツ
券種を絞ってスタート
「窓口オペレーションが大変そう」という不安から一歩踏み出せないスキー場も多いですが、いきなりすべての券種で展開する必要はありません。「シーズン券のみ」や「オンライン販売のみ」からスタートしたスキー場も多く、まずはできる範囲で始めてみましょう。
寄付の使い道を「見える形」にする
ドネーションで作ったベンチをチケット売り場に置く、イベント時に再エネ切り替えを積極的にアピールするなど、寄付の使い道を目に見える形にすることで、ゲストの気持ちを後押しできます。用途を決める際は、省エネや再エネなど気候変動対策に直結するものや、ゲストも巻き込みやすいストーリー性のあるものがおすすめです。
社内に共有することから始める
導入スキー場にお送りしているPOWチケットのロゴやポスターなど、POWチケット関連の素材を社内に共有するといったひと手間で、現場スタッフが自分ごととして環境問題に向き合えるようになります。スタッフが取り組みの意味を理解していると、お客様への案内も自然と変わります。
イベントや教育旅行と組み合わせる
スキーの日など特定の日に、再エネ100%チャレンジを行ったり、教育旅行の団体に提案したりと、POWチケットをイベントや企画と組み合わせることで、新たなゲストや話題づくりにもつながります。
POWチケットを上位に表示する
自社サイトやSNS・LINEでの告知の際、POWチケットを通常券より先に表示することで、選ばれやすくなります。戸隠スキー場では、シーズン券販売の告知タイミングに合わせてPOWチケットを大きくアナウンスしたところ、購入者の約10%が寄付をしてくださいました。
導入にあたってよくある質問
Q. 寄付金の使途 用途は自由に決められますか?
A. はい、用途はスキー場ごとに自由に設定できます。おすすめは次のようなものです。
- 省エネや再生可能エネルギーへの切り替えなど、気候変動対策に直結する取り組み
- 「集めた寄付でリフトの照明をLEDに変える」など、具体的でわかりやすいもの
- ゲストも一緒に巻き込みやすい、ストーリー性のある活動
用途が具体的でわかりやすいほど、ゲストの共感を呼びやすくなります。
Q. ドネーション金額はいくらに設定すればいいですか?
A. 多くのスキー場がシーズン券1,000円・日券200〜500円で設定していますが、金額はスキー場が自由に決定できます。ゲストが「これなら気軽に選べる」と感じる金額設定が、購入率を高めるポイントです。
Q. 導入のスケジュール感はどのくらいですか?
A. シーズン券から導入する場合の一般的なスケジュールは次の通りです。
- 5〜6月:POWチケット導入にかんする初回ミーティング・導入方法の検討
- 6〜7月:寄付金の用途・寄付額の設定
- 8月〜:導入準備・告知
- 12月〜:POWチケット販売スタート
通常券のみの場合も、秋ごろからの導入準備・告知を経て12月の販売スタートを目指せます。
Q. 6月19日までに決めないといけないことはありますか?
A. 6月19日までに導入意思決定と用途設定を完了すると、POWのプレスリリースへの掲載や告知素材の準備が行われます。POWの媒体を通じたPR効果も見込めるため、できるだけ早めのご連絡をおすすめします。
Q. 相談窓口はありますか?
A. 用途設定や導入方法について、個別相談が可能です。まずはPOWスタッフ、もしくはページ下部のCONTACTからご相談ください
POWチケットは、ゲストとスキー場がともに気候変動に向き合うための、シンプルで実効性の高い仕組みです。「できそう」「やってみたい」と感じていただけた方は、ぜひ今シーズンの導入に向けて、まず一歩踏み出してみてください。
少しでも関心をお持ちいただけた方は、POW事務局スタッフ、またはページ下部のCONTACTよりご連絡ください。
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