ブローシャーが新しくなりました
POW JAPAN事務局
来年で発足から5年を迎えるPOW JAPAN。私たちの名詞代わりとなる「ブローシャー」を刷新しました。
ブローシャーは、ブース出展時やショッププログラム加盟店にてお配りしています。Protect Our Wintersとは何か、何を大切に、どこを目指して、どんな仲間と歩んでいるのか。できる限りわかりやすく、でも私たちの活動の「本質」も手にとっていただいた方と共有できるように、事務局皆んなで頭を突き合わせ、紡ぎ出しました。ぜひ、手にとってメッセージを読んでいただけたら幸いです。
イラストやデザインは丘広大さん(@kodaioka_artworks)に依頼。イラストたちが親しみやすさを与えてくれています。
ブローシャーを新しくするにあたり、まずは「本当に紙で伝える必要があるのか」からスタートしました。やっぱり紙にしよう、となれば、紙や印刷工程において少しでも環境負荷やCO2排出量を減らせるように、先進的に取り組まれている大川印刷さんに依頼。今回はFSC認証を取得した用紙を採用しましたが、その他にも竹を原料とした用紙やノンVOCインキ(石油系溶剤0%)を使った印刷、さらに自社印刷工場の屋根に設置される太陽光パネルで自家発電しており、そこで賄えない電力は風力発電由来の電力を購入するなどして「CO2ゼロ印刷」を試みるなどの徹底ぶり。ぜひ大川印刷さんのWEBサイトを覗いてみてください。
大切な資源を使って造らせてもらったからには、皆さまのお手元に少しでも長くあってほしい、そんな思いを込めて、今回のブローシャーの裏面には一枚の写真を採用することにしました。
この写真はアンバサダー/プロスキーヤーの佐々木大輔が推薦した一枚。
“地球の長い月日が作り出した奇跡の様な斜面”Hairy tongue”(ぞっとする舌)。2008年、全力でターンを刻んだ。今は溶けてしまい、この世には無い。今を生き。楽しみ、地球の未来の為に何が出来るのか、考え続けていきたい。”
– 佐々木大輔
佐々木がターンを刻んだのは、想像もできないほど大きなスケールのアラスカの氷河。地球温暖化は氷河を溶かし続けていて、この場所も例外なく「かつてそこに存在した」場所となってしまいました。
このショットを撮影したのは氷河に魅了され、何年もアラスカの氷河を撮り続ける写真家の山田博行さん。
“地球の環境変化の視覚的な尺度としての巨大な氷河の後退は驚異的としか思えない。毎年氷河を追っていく中で、夏の異常気象、大規模な山火事、溶けゆく永久凍土での倒壊する森林から極北の人々の暮らしまで温暖化によって連鎖的に引き起こされる影響までも、もう無視することはできなくなってしまった。いつまでも変わらない原始性を秘めた手つかずの大自然、そのアラスカで奇しくも後退してゆく氷河はいま地球上で最も速いスピードで消滅していっているモノのひとつなのである。地球温暖化がもたらす影響について国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめる報告書の原案では、温暖化ガスの排出削減が進まないと、北極の氷が解けるなどして今世紀末までに海面が最大1メートルを超えて上昇すると予測した。高潮や洪水によって世界の10億人が危機にさらされ、2億8000万人以上が家を失うことになると発表された。
写真は10年前のValdezでの佐々木大輔による滑降。懸垂氷河でブリッジコネクトされたこのフェイス(通称 Hairy tongue) はもう存在しない。”
– 山田博行
「いつか滑れなくなるかもしれない」という厳しい現実を痛感すると同時に、「だから今行動しなければ」と背中を押される一枚。このストーリーに加え、圧倒的な大自然の景色としても、迫力ある滑りのショットとしても、受け取るものが盛りだくさんのこの写真を選びました。このブローシャーが手元に届いたら、ぜひご自宅に貼ってもらえたら幸いです。
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