月間活動報告 | 2024年2月
各地から雪不足によるスキー場への影響が聞こえてくるなか、ハイシーズン並みの良質な降雪が続き、ご褒美のようなスペシャルな時間を味わった3月後半。嬉しい反面、気象パターンの異常さは否めず複雑な心境ですが、それでもやっぱり雪は私たちに特別な時間や経験をもたらしてくれる。だからこそ、わたしたちは行動し続ける責任があると、より一層強く感じています。
ニュースでも取り上げていますが、気候変動の影響により米国のスキー場では2000年から2019年にかけておよそ50億ドル(約7500億円)の損失を受けたという研究が発表されました。研究によれば、米国の4カ所の主要スノーリゾート(北東部、中西部、ロッキー山脈、太平洋西部)における2000年から2019年の平均稼働日数は、人工造雪をしても、1960年から1979年のスキーシーズンと比較して5.5日から7.1日短かくなったことが判明した。 今後の楽観的なシナリオでも、2050年代には1シーズンで14日から33日短くなり、二酸化炭素排出量がハイレベルで続く場合、損失日数はその2倍になるとのこと。日本においても今年の暖冬による雪不足はスキー場の営業や経営の存続、大会の開催などに大きな影響を与えたことは明らかです。
これ以上の温度上昇や気候変動の深刻化を回避するために温室効果ガスの排出を減らす「緩和策」と、すでに起きている気候変動に対応するための「適応策」。私たちひとり一人にとっても、すでに大きな影響を受けているスキー場を含む産業全体にとっても、緩和策と適応策の実施が今すぐに必要です。また、降雪量・積雪量の変化により、暮らしを支える水、田畑や他産業への影響についても、しっかりと観察し続ける必要があります。
状況は厳しいけれど、POW JAPANをフォローしてくださるみなさま、アンバサダーやパートナー、SRAに加盟するスキー場、全国のスノータウンの仲間たちなど、同じ方向をみて行動しつづける仲間たちの、とても頼もしく心強いアクションに、この冬もたくさん支えていただきました。みなさんの支えを感じるたびに、きっとスノーコミュニティからさらに大きなうねりを作っていけると、希望が湧きます。本当にありがとうございます。
シーズンも残りわずか。どうか皆さんが、それぞれの春のお楽しみを存分に味わえますように!
パートナー パタゴニア トークセッションイベント
地方議員という選択。暑すぎた夏。日本の気候変動対策のいま。
(2024年1-2月 by Shotaro)
全国のパタゴニア直営店で開催されたトーク&セッションイベントで、”気候危機の現在地、政策と関わり方”をテーマに神戸、神田、仙台のお店でお話させていただきました。各地で、様々な世代や立場の方々とお話する中で、気候危機などの社会問題の多くの解決には政策的なアプローチは欠かせないこと、そして、それは国レベルでも自分たちが暮らす地域レベルでも、多様な関わり方ができることを改めて認識させられる機会でした。普段接する友達や家族、コミュニティを越えて、社会の関心ごとを話すことはあまり多くはないかも知れませんが、参加者のみなさんは周りの話に熱心に耳を傾けて積極的に発言し、対話を楽しんでいる姿がとても印象的でした。POWをフォローしてくれるみなさんも、自分の周りで”社会(地域)の関心ごとを話す場作り”してみませんか?世界を今よりもポジティブに捉えられるようになるはずです!
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JAPAN FREERIDE OPEN
(2024年2月12日 by Chisato)
アンバサダー植木鹿一、大池拓磨、中島力が主催するフリーライドコンペ「JAPAN FREERIDE OPEN」のアフターイベントにて、自身も選手として参加した事務局スタッフの笹田が今冬スタートした「サステナブル・リゾート・アライアンス」を紹介する機会をいただきました。今年も雪不足により本来予定していた斜面での開催ができなかったため、気候変動の影響を直に受けているイベントでもあります。また、本大会は他にも毎年アンバサダーがジャッジや選手として参加するイベントでもあり、そして大会という多くの人が注目し集まるイベントなので、今後もPOWの活動や気候変動への関心を広げる機会として継続していきたいです。
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パートナー
エイブル白馬五竜 社員向け気候変動講習
(2024年2月日 by Goro)
今年もエイブル白馬五竜スキー場で働く皆さんと気候危機問題について話す機会をいただき、気候危機とその対策についての基礎知識や、私たちスノーコミュニティができることをベースにお伝えしました。その中でも特に強調したかったのは、今シーズンから五竜が「再エネ100%」のスノーリゾートになったことです。もちろん自社の取り組みなので知っている方も多かったと思いますが、このような取り組みを率先して行うことの素晴らしさを伝えたかったのです。
五竜は一番最初にPOW JAPANのパートナーになってくれたスキー場でもあります。そこから、様々な面で積極的な取り組みを進め、毎年進化し続ける姿勢に、私たちはいつも背中を押してもらってきました。
今回の講習では、時代の変化なのか、環境意識の高い職場に人が集まる状況が出来てなのかわかりませんが、これまでよりも聞きにきてくれている人(特に若い人)が多く、しっかり聞いてくれている人が多かったのも印象的でした。最近はスノーコミュニティー以外のメディアからも、スノーリゾートの持続可能な取り組みが取り上げられるなど社会からの注目も上がってきています。自然環境の上に成り立つ私たちのコミュニティーが、自然を守る取り組みを進めることは非常に重要です。そういった動きがより多くのリゾートや自治体に広がっていくためにも、五竜スキー場には引き続きコミュニティーをリードする力を発揮していただきたい、と願っています。
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アンバサダー清澤恵美子
SNOW EXPO 2024 オーストリア大使館商務部主催 パネルディスカッション
(2024年2月13日 by Seto)
Snow Expo Japan 2024期間中にオーストリア大使館商務部主催の企業プレゼン&パネルディスカッションが開催され、アンバサダーの清澤恵美子さんがPOW JAPANアンバサダーとしてスキー場経営者の方々と「ウィンタースポーツ業界におけるSDGs」というテーマでパネリストとして登壇されました。カーボンニュートラルなスキー場というトピックでは、アルペンスキーヤー現役時代に訪れたヨーロッパのスノータウンではマイカーの乗り入れが規制され、移動はEVもしくは徒歩という日本との街の作りの違いや、再生可能エネルギーを利用するスキー場の広まりを紹介して下さいました。
一方、日本のスキー場でも敷地内に小水力発電所を建設した奥伊吹グランスノー、新幹線の駅からフリーバスを運行して公共交通利用を促す佐久パラダ、片品村循環バスでは補助金は村がとってきてバス運行はスキー場と役割分担しながら地域で取り組んでいる事例など、一言でスキー場・スノータウンと言えども地域毎にメリットも課題も異なりそれぞれに合った取り組みは参考になりました。
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メディア掲載情報
暮らシフト信州「手を取り合う“スキー場”と“滑り手”。白馬の雪山で進む脱炭素の取り組み」(2024年3月掲載)
Sinshu Arts-Climate Camp 気候とアートのダイアローグ:podcastにて事務局長の高田翔太郎のインタビュー、POW JAPANの活動についてお聞きいただけます。
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