ワークショップレポート

高校生２人との出会い

高校生から届いた一通のメールから、このプロジェクトは始まりました。

東京の高校に通う林ミクちゃんは、スノーボードが大好きな女の子。年々スキー場の雪が減ってきていることに危機感を抱き、様々な環境団体を調べている中でPOW JAPANを見つけてくれました。

彼女と初めて会った日、なんと彼女は雪を守るためのアクションとして、いくつもの企画を提案してくれました。その中の一つに、間伐材でスノーボードを作るという企画がありました。それが今回のプロジェクトの原型です。

彼女の行動力と発想力、そしてその熱い想いに心を打たれ、POWメンバーで全力で彼女をサポートすることを決意。

ミクちゃんの同級生で、SDGsの普及活動や、FSCジャパンのアンバサダー活動を行う中澤リリコちゃんにも加わってもらい、プロジェクトをスタートさせました。

ミクちゃんとリリコちゃんが抱く課題感や、今回のワークショップで伝えたかった想いは大きく２つありました。

雪板ワークショップ

スノーボードをハンドメイドするのは大変・・・

そこで今回は、雪板を作るワークショップを行うことにしました。
雪板は、遊びとしても、ものづくりとしても、とてもシンプル。だからこそ一番、雪や素材の魅力・面白さを実感できる奥深さを持っています。

そんな雪板づくりを通して、実際に木材に触れながら、森林をめぐる環境問題について学び、そして、自分たちでつくった雪板で遊ぶことを想像しながら、深刻化する気候変動に対して自分たちがどんな行動をしていけるか、どうやって雪を守っていけるかを一緒に考え、自分たちの日々の生活でのアクションへと繋いでいける場を作りました。

今回の雪板ワークショップは、雪板のパイオニアであり、POWアンバサダーである五明淳さんを講師に迎えて開催。

まず最初に、リリコちゃんによる、木材をめぐる環境問題についてのプレゼンテーションからワークショップはスタートしました。

今回のワークショップで一番こだわったのは、材料となる木板。FSCジャパンさんと一緒にFSC認証を取得し、かつ、間伐材を使用した合板を作っている企業を探し、材料提供をしていただきました。

リリコちゃんのプレゼンテーションでは、FSC認証を取得したものを選択することで環境問題や人権問題への取り組みに貢献できることや、間伐材とは何か、今回の材料がどうやってできているか、について学ぶことができました。

自分たちの作る雪板の材料について知識を深めたところで、実際の製作スタート。
どんなふうに雪の上を滑るかを想像しながら、みんな夢中になって雪板づくりに没頭しました。

ワークショップの最後は、発起人・ミクちゃんによるプレゼンテーション。
今の雪をめぐる地球温暖化の現状や課題から、自分たちが起こせるアクションにまでスケールを横断して、彼女の想いを伝えてくれました。

そして締めくくりには、参加者の皆さんに、今後自分たちのフィールドや雪を守るために取り組んでいきたいアクションを考えていただき、みんなでシェアする時間を設けました。

ただ受け身になるだけでなく、小さな一歩を踏み出すところまで繋げることができたのは、今回のワークショップの大きな収穫となりました。

主催
林未来、中澤璃々子（三田国際学園高校）

共催
一般社団法人Protect Our Winters Japan、芽育雪板研究所

協賛
キーン・ジャパン合同会社、ジャパン建材株式会社、株式会社ノダ

協力
FSCジャパン