株式会社シール堂印刷の環境配慮型シール

POW JAPAN事務局

本当にありがたいことに、白馬界隈ではPOWのステッカーを車やギアに貼ってくださる方をよく見かけます。高速道路を走っていたときに、追い越していった車の後ろにPOWのステッカーを見つけたときは、なんだか感無量でした。POWのことを知っていますか?の質問に対して「ステッカーでロゴは見たことあるよ」と回答する方も多く、ステッカーが私たちの活動を広げてくれているという実感もあります。

さて今回は、そのステッカー印刷でお世話になっている「シール堂印刷」さんにお願いして、シールの裏側について寄稿いただきました。ものづくりにおいても、こうして心強いパートナーが同じ方向を見て、寄り添ってくださることを、本当に嬉しく思います。ぜひお読みいただき、そしてみなさんのヒントになれば幸いです。

今回、主役のステッカー

この度は、貴団体(一般社団法人Protect Our Winters Japan以下 POW様)と環境配慮型シールについてお話の場をいただきお礼を申し上げます。

まずはPOW様において採用いただいてる材料の詳細を記載させていただきます。
次の材料をご採用いただいております。

  • ベース(基材):発泡PET
    材質の空洞化構造により一般的なPET合成紙と比較して、約21%の原料を削減し再生PETを25%以上使用してます。軽量化と再生PETの使用により、同じ厚みのPETフィルムを製造する場合と比べ、CO2の排出量を27%削減してます。

    ラミネート:PET#16GRラミ用
    再生PET樹脂を80%以上使用。一般的なPETフィルムに比べ、製造工程で排出されるCO2を24%以上削減してます。

また基材の発泡PETの“糊”は、バイオマスマーク取得粘着剤。バイオマス樹脂を20%以上配合した粘着剤です。合成樹脂のみからなる粘着剤と比較すると、CO2の排出量を12%削減します。

以上の内容が現在皆様にご採用いただいてるシールの材料の詳細です。

ステッカーの裏面

私自身が初めてPOW様の担当をさせていただいた時(2年ほど前)、団体名に強いインパクを受けました・・・直訳でいいのでしょうか、「私たちの冬を守る」、これを目にしたときこの内容はここ数年起きてる地球規模の問題(私は地球が“悲鳴をあげてる”と感じております)への取り組み・意思表示に思えて、作成させていただくシールも皆さんの活動趣旨に少しでも寄与できるものを考えなければと思いました。

みなさんの採用いただいてるシールは、屋外(雨の日も含む)、雪の中のシチュエーションが多く、濡れることへの予防措置は必須になるので紙ではなくフィルムを採用する必要があることが分かりました。前任者もこの部分を考慮していくつかの材質を選んでおりました。仕様を見たところ、脱塩ビを意識したものでした。

この状況を知った時に、ここ数年でシール材料業界においてもかなり“環境配慮型”と呼べる材料がリリースされているので、是非ご提案させていただきたいと感じておりました。

そんな時、POW様よりロゴシールの増刷(追加印刷)のご連絡をいただきました。私が提案するより先にではなく担当の小松様より「最近、様々な環境に配慮したものが出てきている中でシールはどうですか。ロゴシールを増刷するにあたって今より環境に優しい仕様はできないですか?」とのこと。営業としては先にご提案できずに申し訳ない思いと、このようのご要望をいただき大変うれしい気持ちにもなりました。このようなことがあり、現在のシール仕様になっております。

スキーの板やボトルに貼っても、剥がれない耐久性

脱プラ(プラスチック使用料減少)・CO2削減 を進めるにあたり仕様におけるもっと数値の高い材料やバイオマス材料のリリースもされていますが、今現在の使用目的、人から人へ渡すことに適している仕様(シールの厚み・質感、台紙の材質・厚みなど)として現在の材料をご提案させていただいております。今後もこれら環境への対応として材料も変化してまいります。不定期はなりますが是非ご案内させてください。

少しシール堂印刷の現在までのお話をさせてください。

なぜ環境配慮型シールに注力したか。弊社(株式会社シール堂印刷 以下シール堂)は、シールを長年扱ってる中で、どうしても製品を仕上げるまでに“ヤレ”(製品以外の部分の材料)が出てしまいます。もちろんこれらの削減を考え製造はしておりますが難しい問題でもありました。

このようなことを背景に、早くから環境への配慮を促進しておりました。いかに無駄を出さないようにするか、廃棄物の取り扱いはどうするかなど多くの問題にも取り組んでいます、現在はデジタル印刷機の導入で“ヤレ”は非常に少なくなり、工場での廃棄物の多くは固形燃料になっております。また使用するエネルギーも今後は考慮していきたいと考えております。

近年では、SDGsの広まりの中でお客様からも「環境に配慮したシール」の作成の声がさらに増えてきております。皆様からいただいたご要望そして、どのように使用されるものなのかをお聞きして、できるかぎり環境への配慮を含めご提案できるように努めてまいります。

是非、これからも皆様のご要望、環境に対する思いをお聞かせください。

                     

2022年11月07日
株式会社シール堂印刷 田邉 祐二