一歩踏み出してみて

Nanami Takei

初めまして、POW JAPANでインターンをしていた武井です。

「気候変動に対して何かしたい!でも、何をしたら良いんだろう・・・」と悩んでいたときPOWとの出会いがあり、2020年10月から約5ヶ月、インターンシップとして活動してきました。

インターンの最後にこの場をお借りして、気候変動という途方も無いほど大きな問題に対しても、一歩踏み出せば、出来ることは沢山あるし、その行動を応援、手助けしてくれる人が沢山いるということを伝えたいです。

まず、私の自己紹介を簡単にさせてください。
大学を卒業後、青年海外協力隊員として西アフリカのベナン共和国で1年ほどボランティア活動をしていました。その時、干魃で作物が採れないのを目の当たりにし、豪雨で自分の家に住めなくなった人々に出会ったことがきっかけに、気候変動は人の命に関わる問題であると痛感しました。帰国後、京都大学大学院の修士課程で勉強しながら、気候変動に対して何かしたいと思っていた時に、ご縁があってPOWと出会いました。その後事務局長とオンラインで面談し、初代インターンとしての活動が決まりました。(詳しいプロフィールはこちらからご覧ください)

はじめてPOW事務局メンバーと会った翌日に訪れた「気候変動を知るin野沢温泉」(著者は左から二番目)。ここで出会ったアンバサダーの河野健児さんからヒントをもらった。

インターンがはじまってすぐ、白馬を訪れ全員が集まるミーティングに参加しました。その時の感想は、スピード感が早い、対スキー場や対地方自治体など企画のスケールが思っていたより大きい。「こんな団体で私が貢献できることはあるのか?!」と最初から自信をなくしました(笑)。

翌日、「気候変動を知るin野沢温泉」に同行し、気候変動講習を見たり、受付を手伝ったりしました。イベント終了後にはPOWアンバサダーの河野健児さんを交えて、POWのこれからの活動について会話していた際に、河野さんから「バックカントリーやフリーライドだけでなく、競技スキーなどの様々なジャンルの滑り手も巻き込んでみては?学生に対してアプローチするのも良いのでは?」と貴重な意見をいただきました。

私は学部生時代にアルペンスキーをやっていたし、学生という立場でもある!これを生かして、今までの私のようにPOWを知らなかった人達に対してPOWを広める活動をしようと思いました。

方向性が決まれば、その後は早く、数回のミーティング(私は京都からオンライン参加)で、POWのパートナーでもある白馬岩岳スノーフィールドで開催される「岩岳学生スキー大会」にブースを出展するという具体的なアクションが決まりました。

人生で初めて企画書を作り、提案をするために再び白馬へ。ローカルのプロスノーボーダーでもある福島 格さんのご協力もあり、大会事務局の方にも快諾して頂けました。

(上)2月に行われた岩岳学生大会 基礎の部。(下)ブースに立つ武井。

大会当日。まずは2月下旬に行われた岩岳学生スキー大会の基礎の部にお邪魔しました。ブース出展初日にブースに来てくれた方はわずか3人。せっかく、ここまで色んな人に協力してもらったのにどうしよう、と不安になりました。たしかに、選手だったら大会に集中したいし、私も現役の時は、競技で結果を出すことだけに集中していて、気候変動の「き」の字も浮かばなかったし、興味もなかった。でも、そんな自分だからこそ、同じように競技に集中する人達に対してのアプローチも思いつくのでは?と考え、他のメンバーにも相談しました。

そこで、大会が終わった選手が訪問しやすいように、室内にブースの位置を変更しました。しかしそれでも、誰も来ない・・・。

その時、POW事務局方々が、自分から学生に声をかけはじめていました。私も学生に声をかけたいと思うけど、なかなか勇気がでずブースで一人モジモジしていました(笑)。

数分後いざ、勇気を出して話しかけると、POWの活動について好意的な反応をしてくれたり、「活動、頑張ってください」と応援してもらえたり、たまに無反応の人もいたりと色んな反応が返ってきました。「POWの活動はとても重要なんだ」と認識する一方、まだまだ知名度も低いし、スノーコミュニティーの中でも伸びしろが沢山あるなと感じました。

3月に開催されたアルペンの部。雪はかなり厳しい状況。

3月上旬に行われたアルペンの部では、POWの事務局スタッフだけでなく、ボランティアの方々も手伝いに来てくれました。会場設営から学生との会話、最後の撤収作業まで、本当に積極的に動いてくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、アルペンの部では私もモジモジせず(笑)、色んな方とお話することができました!特に私自身もアルペン競技に打ち込んでいて、この大会にも参加していたこともあり、一緒に練習していた友達やコーチの方々を通して、多くの方々にPOWの活動について話すことが出来ました。「POWのステッカー貼りましたよ!」と言って、スキーブーツを見せてくれた時には感激しました!

この大会をもって、私のインターン活動は終わりました。POWの事務局長と面談したことがきっかけで、こんなに自分のなかで変化が起きて、行動できて、とても驚いています。

この記事を読んで頂いた方の中には、
「気候変動について良く知らないし・・・」
「今まで何もしてこなかったし・・・」
「スキーもスノーボードも初心者だし・・・」

という方もいるかもしれません。でも、だからこそ「あなたにしかできないこと」があると思います。そして、あなたが一歩踏み出せば、きっと背中を押してくれて、助けてくれる人は沢山いるはずです。

私は、ひとまず修士論文の執筆に注力しますが、時間ができたらまた新たな一歩を踏み出したいと思っています。そして、今回背中を押してくれたり、応援してくれた方々のように、誰かの一歩を応援する人でもありたいと思っています。

最後に、こんな活動の場を用意してくださったPOWの皆様とPOWを支えてくださっているオーディエンスの皆様、本当にありがとうございました!

大会前日にPOW事務局メンバーでセッション。

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