ショップオーナーに聞く! 「中島屋旅館(長野県・野沢温泉村)」
ショップオーナーに聞く! 「中島屋旅館(長野県・野沢温泉村)」 Hitomi Suzuki 「ショップからはじめよう!」Retail Programに参加してくださっている「中島屋旅館」さん(長野県/野沢温泉村)にお邪魔して、若旦那の河野亮介さんと若女将の河野由貴子さんにお話を伺いました。 若旦那の河野亮介さんと若女将の河野由貴子さん まずは中島屋旅館について教えてください 野沢温泉村の温泉街にある源泉掛け流しの宿です。1913年創業、今年で108年目を迎えます。小さくて素朴な宿だからこそできるおもてなしや、お客様とのコミュニケーションを大事にしたいと思っています。また、良質な源泉かけ流しの温泉と共に、「野沢温泉ならでは」を楽しんでもらうために地元で採れた食材や、地元にちなんだものを使ったお料理をお出しするなど、「その土地を味わう」という旅の醍醐味や本質を感じていただける宿を目指しています。 若旦那は野沢温泉が地元なんですね? はい、小さなころから自然の中で遊ぶのが大好きで、冬はクロスカントリースキー競技に打ち込んでいました。大学進学を機に野沢温泉を離れ、長野で就職した後、国内のいくつかの温泉地の旅館や宿で修行を積んで、2009年に野沢温泉へ戻り、両親と若女将と一緒に中島屋旅館でお客様をお迎えしています。 POWの存在は知っていましたか? スノーボード雑誌やメディアを通してジェレミー・ジョーンズを知り、彼が米国で立ち上げたPOWに興味を持っていたので以前から知っていました。POW JAPAN立ち上げの際に、若女将(由貴子さん)にアンバサダーにならないか、と声がかかったこともあり、POW JAPANの存在も気になっていました。 Retail Programへ参加しようと思ったきっかけは? 僕自身もスノーボードが好きで、雪山が好きです。だから冬を守るために何かアクションを起こしたいと思っていました。一方で、旅館業はどうしても余剰食材の廃棄もあるし、電気ももちろん使用する。環境に負荷をかけながらも、気候変動問題に対してアクションを起こすという矛盾を感じていたこともあり、一歩踏み出せずにいました。しかし、若女将がPOW JAPANのアンバサダーとなり、POWのメンバーとも会話がはじまったことを通して、少しでも協力できればと思いはじめました。旅館としてお客様へのおもてなしは変えずに、できることをやろうと考えたときに、このRetail Programに参加しようと決めました。 このプログラムに参加してから、お客様との会話の中で何か変化はありましたか? POWの話をするきっかけにもなりますし、気候変動問題に興味も持たれているお客さまと話す機会が増えました。短い時間の会話で、深い話ができなかったとしても、その会話が「きっかけ」を与えられていると思います。 冬や滑るのが好きという人はもちろん、グリーンシーズンのお客様や年配の方も目をとめてくださり、「こういうの大事だよね」とステッカーを手にとってくださる方もいらっしゃいます。 それから、ブローシャーとステッカーを置いているだけでは伝わらないかなと思い、オリジナルのパネルを作って展示しています。この旅館でPOWのロゴが目に入ったことで、次にどこかでPOWのロゴを見たときに、『あ、中島屋旅館でも見たな』というきっかけになればと思っています。 オリジナルのパネルを作成し展示してくださっていました。 宿でのアクションについてもわかりやすく紹介されています! 旅館として、何か具体的な取り組みはされていますか? 旅館で使用する電気を再生可能エネルギー由来の電力を供給する「みんな電力」に切り替えました。館内の照明のほとんどをLEDに切り替えたり、節電のために休館日や空いているお部屋がある場合はコンセントを抜くなど、できる限りのことをしています。 すばらしいですね!この取り組みについて紹介されているパネルも素敵です! 電気の切り替えについて、「やっと電力を変えましたよ、すごい簡単でしたよ」という話をお客さんとすることもあります。小さなことでも気候変動への取り組みになることを知ってもらうきっかけになればと思っています。 「冬を守る」ためのアクションについて、どのような思いをもたれていますか? 自分の場合は、旅館でもアクションをしたいと思いながら、躊躇していたけれど、若女将がアンバサダーになったことで後押しされました。 旅館の電気を再エネに切り替えたり、照明をLEDに変えるなどの具体的なアクションは、どれも簡単にできることだったので、ぜひ他の事業者さんにもトライしてみてほしいと思っています。この旅館の取り組みだけでは小さな効果かもしれないけれど、自分たちの取り組みを発信したり、地域で取り組んでいければ、その効果は大きくなるので、地域の人を巻き込んでいきたいと思っています。 きっかけはどこにあるかわからないけれど、いつでも目に入るところに「サイン」を置くことでそのきっかけになればと思っています。そういう意味で、このプログラムは簡単にはじめられたので、とてもよかったです。もっと早くやっていれば、より多くの方と会話もできたし、気候変動に対してもアクションを起こせたと思うので、興味があるショップの方はぜひやってみてください! 中島屋旅館さん、貴重なお時間をありがとうございました! POW JAPANの活動や気候変動問題についてご紹介いただいているだけでなく、様々な葛藤と向き合い、考え抜いたうえで「できること」から取り組まれている姿勢が、とてもクールでした。きっとこの姿が、誰かの後押しになるはず。このプログラムにご参加いただいている全国のショップさまのおかげで、気候変動問題やPOW JAPANの活動に興味を持ってくれたり、行動を起こしてくれる仲間が増えていることを、心から感謝いたします! Retail Programに参加してみませんか? どんなお店でも大丈夫。 雪を守る、冬を守るという熱い想いを持ったオーナー様、スタッフ様が経営するスキー/スノーボードショップやアウトドアショップはもちろん、飲食店や美容室、歯医者さんまで多種多様なショップさまにご協力いただいています。詳細はこちらから!
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